RANK.EQ関数とRANK.AVG関数の違いを比較!同順位の処理を理解しよう

RANK.EQ関数 vs RANK.AVG関数 – 順位を求める関数の違いと使い分け


1. 使い方と活用例

RANK.EQ関数とRANK.AVG関数は、いずれも数値に対して順位を付けるための関数です。
両者の最大の違いは「同順位が発生した場合の処理方法」にあります。
成績表やスコア集計、営業成績の評価などで順位付けを行う際に非常に役立つ関数です。

2. 基本の書式

=RANK.EQ(数値, 範囲, [順序])
=RANK.AVG(数値, 範囲, [順序])

3. 引数の説明

  • 数値:順位を求めたい対象の数値
  • 範囲:順位の対象となるセル範囲
  • 順序(省略可):0または省略で降順(大きい値が1位)、1で昇順(小さい値が1位)

4. 2つの関数の違い

RANK.EQ関数: 同じ数値が複数ある場合、同じ順位を付けますが、その後の順位は飛ばされます(例:1位・1位・3位)。
RANK.AVG関数: 同順位の平均値を返します(例:1位・1位 → 両方2.0位として扱う)。
そのため、順位の表示に厳密さが求められる場合や、統計的なバランスを取りたい場合で使い分けることが重要です。

5. 使用シーン

  • RANK.EQ関数:スポーツの順位表、明確な順位付けが必要な業務
  • RANK.AVG関数:統計的処理、平均順位を元に分析を行いたい場合

6. こういう場面ではこれを使え!

  • 明確な順位(誰が1位か・何人が同率か)が重要 → RANK.EQ関数
  • 公平に評価したい、同点者の平均的な立ち位置を取りたい → RANK.AVG関数

7. 具体例とその解説

例:スコアのリスト

スコア(A列)
-------------
100
90
90
80

RANK.EQ関数の場合

=RANK.EQ(A2,$A$2:$A$5,0)

→ 順位結果:1, 2, 2, 4
2人が90点で同順位(2位)、次の順位(3位)は飛ばされて4位になります。

RANK.AVG関数の場合

=RANK.AVG(A2,$A$2:$A$5,0)

→ 順位結果:1, 2.5, 2.5, 4
90点の2人が(2位+3位)÷2 = 2.5位として平均化され、より統計的な評価になります。

8. 関連関数の紹介

  • RANK関数 – 旧関数。現在はRANK.EQに置き換えられている
  • PERCENTRANK関数 – データのパーセンタイル順位を求める関数
  • QUARTILE関数 – 四分位数を求める統計関数
  • LARGE関数 – 上位n番目の値を求める関数

9. まとめ

RANK.EQ関数とRANK.AVG関数は、どちらも数値の順位付けに使われますが、同順位の扱い方が異なります。
明確な順位付けが求められるシーンではRANK.EQ関数、統計的な処理や平均順位を重視したい場合にはRANK.AVG関数が適しています。
用途に応じて正しく選び、誤解のない集計を行いましょう。

10. 対応バージョン

RANK.EQ関数およびRANK.AVG関数は、Excel 2010以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは旧関数RANKが使用されていましたが、今後は非推奨とされています。