AVERAGE関数グループ – 平均値を求める関数の違いと使い分け
1. 使い方と活用例
AVERAGE関数グループは、Excelで「平均値(算術平均)」を求めるための代表的な関数群です。
基本的な平均を求めるものから、条件付きで平均を求めるもの、論理値や文字列の扱いが異なるものまで、それぞれ特徴があります。
この記事では、4つのAVERAGE系関数の違いと使い分けについて詳しく解説します。
2. 基本の書式
=AVERAGE(数値1, [数値2], ...)
=AVERAGEA(値1, [値2], ...)
=AVERAGEIF(範囲, 条件, [平均範囲])
=AVERAGEIFS(平均範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], ...)
3. 引数の説明
- AVERAGE関数:数値や範囲を指定。数値のみを対象に平均を求める
- AVERAGEA関数:値や範囲を指定。数値以外も含めて平均を求める(論理値や文字列も含む)
- AVERAGEIF関数:範囲の中で条件を満たすセルに対して、平均範囲の値の平均を返す
- AVERAGEIFS関数:複数条件を満たす場合の平均値を求める。平均範囲は最初に指定する
4. それぞれの関数の違い
AVERAGE関数: 最も基本的な関数で、数値セルのみを対象とし、文字列や空白は無視されます。
AVERAGEA関数: 文字列や論理値も含めて計算されます(TRUE=1、FALSE=0)。
AVERAGEIF関数: 条件を1つだけ指定して、その条件に合うデータの平均を求めます。
AVERAGEIFS関数: 複数の条件を指定して、すべてを満たすデータの平均を求めます。
5. 使用シーン
- AVERAGE関数:シンプルに数値の平均を求めたいとき
- AVERAGEA関数:TRUE/FALSEを含むデータや、数値以外も含めた平均を取りたいとき
- AVERAGEIF関数:特定の条件(例:「営業部のみ」など)で平均を出したいとき
- AVERAGEIFS関数:部門×地域など、複数の条件を使ってフィルタした平均を出したいとき
6. こういう場面ではこれを使え!
- 数値だけの成績を平均したい → AVERAGE関数
- TRUE/FALSEのチェック欄も含めて平均したい → AVERAGEA関数
- 「女性社員だけ」「80点以上だけ」など1つの条件で絞って平均 → AVERAGEIF関数
- 「女性かつ営業部の80点以上」など、複数条件で絞って平均 → AVERAGEIFS関数
7. 具体例とその解説
例1:AVERAGE関数
=AVERAGE(80, 90, 100)
→ 結果は「90」。数値のみを平均します。
例2:AVERAGEA関数
=AVERAGEA(80, TRUE, "文字列", 100)
→ TRUEは1、”文字列”は0と扱われるため、(80+1+0+100)/4 = 45.25 になります。
例3:AVERAGEIF関数
=AVERAGEIF(A2:A6, ">80", B2:B6)
→ A列の値が80より大きい行に対応する、B列の値の平均を求めます。
例4:AVERAGEIFS関数
=AVERAGEIFS(C2:C6, A2:A6, ">80", B2:B6, "営業")
→ A列が80より大きく、かつB列が「営業」の場合に対応するC列の値の平均を求めます。
8. 関連関数の紹介
9. まとめ
AVERAGE系関数は、目的に応じて適切なものを選ぶことで、より正確で柔軟な平均計算が可能になります。
特にAVERAGEA、AVERAGEIF、AVERAGEIFSは、「計算に含める対象」「条件の有無」が大きなポイントです。
データの内容や分析の目的に応じて、最適な関数を選びましょう。
10. 対応バージョン
すべての関数(AVERAGE、AVERAGEA、AVERAGEIF、AVERAGEIFS)は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
AVERAGEIFS関数はExcel 2007以降で追加された関数のため、それ以前のバージョンでは使用できません。