YIELDDISC関数 – 割引債の利回りを計算する関数
1. 使い方と活用例
YIELDDISC関数は、割引債(利息が支払われず、満期時に額面金額が支払われる債券)の年利回りを計算するための関数です。
購入価格と償還価格の差に基づいて、利回り(年率)を算出します。
財務・投資関連の計算において、短期国債や割引債の利回りを把握するのに使用されます。
2. 基本の書式
=YIELDDISC(settlement, maturity, pr, redemption, [basis])
3. 引数の説明
- settlement – 債券の購入日(受渡日)を指定します。
- maturity – 債券の満期日を指定します。
- pr – 割引債の購入価格を指定します(額面100に対する価格)。
- redemption – 満期時に受け取る額面金額を指定します(通常は100)。
- [basis] – 利息計算の基礎となる日数計算方法を指定します(省略可能)。
4. 使用シーン
・割引債の利回り(年率)を正確に計算したいとき。
・金融商品の収益性を比較するために利回りを統一した尺度で把握したいとき。
・短期金融商品(例:短期国債、CPなど)の利回りをExcelで自動計算したいときに適しています。
5. 応用のポイント
YIELDDISC関数は、定期的な利息のない金融商品の利回りを計算するために特化しているため、通常の債券とは異なる点に注意が必要です。
日数計算方法(basis)を適切に選ぶことで、より現実に即した結果を得ることができます。
他の債券関数(YIELD関数、ODDFYIELD関数など)と使い分けることで、幅広い金融商品に対応可能です。
6. 具体例とその解説
=YIELDDISC(DATE(2025,4,1), DATE(2025,10,1), 97.5, 100, 0)
この式は、2025年4月1日に購入し、2025年10月1日に満期を迎える割引債の利回りを計算します。
購入価格は97.5、償還価格は100であり、日数計算方法には0(米国方式・30/360)を使用しています。
この場合、年利換算の利回りが返されます(例:5.04%など)。
7. 関連関数の紹介
- YIELD関数 – 利付債の年利回りを計算する関数
- DISC関数 – 割引債の割引率を計算する関数
- PRICE関数 – 利付債の価格を計算する関数
- RECEIVED関数 – 割引債の満期受取額を計算する関数
8. まとめ
YIELDDISC関数は、利息が支払われない割引債の利回りを正確に年率で算出するのに適した関数です。
金融・投資の場面で、商品の収益性を比較したいときに重要な指標となります。
日数計算方式(basis)や引数の理解を深めることで、より精密な利回り分析が可能になります。
9. 対応バージョン
YIELDDISC関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
古いバージョンでも財務関数アドインが有効になっていれば使用できます。