XNPV関数 – 財務

XNPV関数 – 指定された日付に基づいて正味現在価値を計算する関数


1. 使い方と活用例

XNPV関数は、各キャッシュフローに対応する日付を考慮して、正味現在価値(NPV)をより正確に計算する関数です。
通常のNPV関数では期間が等間隔であることを前提としますが、XNPV関数は不規則なキャッシュフローのタイミングに対応しています。

2. 基本の書式

=XNPV(割引率, 値, 日付)

3. 引数の説明

  • 割引率 – 各キャッシュフローに適用される年利率(割引率)を指定します。
  • – キャッシュフローの金額を含む配列またはセル範囲を指定します。最初の値は初期投資(負の値)である必要があります。
  • 日付 – 各キャッシュフローの日付を指定します。
    日付はシリアル値または日付形式で入力され、値と同じ数の要素である必要があります。

4. 使用シーン

  • プロジェクト投資の評価で、キャッシュフローが定期的でない場合
  • 実際の入出金日が不規則な資産運用の現在価値を算出したいとき
  • 融資や資金調達計画において、返済や収益のタイミングがバラバラな場合

5. 応用のポイント

日付が非常に重要なため、誤った日付や順序があると正しい結果が得られません。
日付は昇順に並んでいる必要がありますが、Excelでは自動的に並び替えは行われないため、事前に確認することが重要です。

6. 具体例とその解説


=XNPV(0.08, {-10000, 3000, 4200, 6800}, 
{"2025/01/01", "2025/06/01", "2026/01/01", "2026/12/31"})

この式では、年利8%の割引率で、4つのキャッシュフロー(初期投資と収益)とそれに対応する日付から正味現在価値を計算します。
通常のNPV関数では均等期間が前提となりますが、XNPV関数では実際の経過日数をもとに計算が行われるため、より精密な分析が可能です。

7. 関連関数の紹介

  • NPV関数 – 一定期間ごとのキャッシュフローに基づいて正味現在価値を計算する関数
  • XIRR関数 – 不規則なキャッシュフローに基づいて内部収益率を計算する関数
  • IRR関数 – 一定間隔のキャッシュフローに基づいて内部収益率を計算する関数
  • PV関数 – 一定の利率と定期的な支払いに基づいて現在価値を求める関数

8. まとめ

XNPV関数は、日付に基づく詳細な正味現在価値の計算が可能な強力な関数です。
キャッシュフローが不規則な場合において、NPV関数よりも現実的な分析結果を得るために不可欠な関数です。

9. 対応バージョン

XNPV関数は、Excel 2007以降のバージョンで使用可能です。
それ以前のバージョンではサポートされていません。