WRAPROWS関数 – 1列のデータを指定した列数で折り返して行列に変換する関数
1. 使い方と活用例
WRAPROWS関数は、1次元の縦方向または横方向の配列(リスト)を、指定した列数で折り返して複数の行に整形する関数です。
データの視認性を高めたり、一定のフォーマットで表を構成する場面で便利に使用できます。
2. 基本の書式
=WRAPROWS(配列, 列数, [パディング])
3. 引数の説明
配列 – 折り返して整形したい1次元配列またはセル範囲を指定します。
列数 – 1行あたりに配置する列の数を指定します。
[パディング] – (省略可能)データが足りない部分を埋める値を指定します。省略すると空白になります。
4. 使用シーン
- 長い1列のリストを表形式に並べたいとき
- 商品一覧やコード一覧を、横並びで読みやすく表示したいとき
- 自動生成されたデータを見やすいブロックに変換したいとき
5. 応用のポイント
WRAPROWS関数は、列方向に折り返す点が特徴で、行ごとの整形に適しています。
同様に行方向に折り返す場合はWRAPCOLS関数を使用します。
また、TEXTSPLIT関数などと組み合わせることで、文字列を分割しつつ整形することも可能です。
6. 具体例とその解説
=WRAPROWS({1,2,3,4,5,6,7}, 3)
この式では、{1,2,3,4,5,6,7} という縦1列の配列を、3列ごとに折り返します。
結果は以下のような2次元の表になります。
1 2 3
4 5 6
7
=WRAPROWS(A1:A10, 4, "N/A")
A1:A10の範囲を4列ずつ折り返し、「データが不足した箇所には”N/A”を挿入する」という指定です。
合計10個のデータがあるため、3行目には2つの”N/A”が追加されます。
7. 関連関数の紹介
- WRAPCOLS関数 – 指定した行数で折り返して列に変換する関数
- TOCOL関数 – 配列を1列に変換する関数
- TOROW関数 – 配列を1行に変換する関数
- TEXTSPLIT関数 – 区切り文字で文字列を分割し配列として返す関数
8. まとめ
WRAPROWS関数は、長い1次元配列を自動的に折り返して複数行に分ける便利な整形ツールです。
可読性の向上やプレゼン資料の整備、自動処理されたデータの出力形式を調整する際に有効です。
9. 対応バージョン
WRAPROWS関数は、Microsoft 365およびExcel 2021以降で使用可能です。
それ以前のバージョン(Excel 2019以前)では使用できません。