WEIBULL関数 – ワイブル分布に基づく確率を求める関数
1. 使い方と活用例
WEIBULL関数は、ワイブル分布(Weibull distribution)に基づいて確率密度または累積分布を計算する関数です。
信頼性工学や故障率の分析などで広く使用され、特に寿命分析や製品の耐久性評価に適しています。
2. 基本の書式
=WEIBULL(x, alpha, beta, cumulative)
3. 引数の説明
- x – 関数を評価する非負の値。分析対象の点を指定します。
- alpha – ワイブル分布の尺度パラメータ。正の数である必要があります。
- beta – ワイブル分布の形状パラメータ。正の数である必要があります。
- cumulative – TRUEの場合は累積分布関数、FALSEの場合は確率密度関数を返します。
4. 使用シーン
- 製品の寿命や故障率の分析
- 保守計画における故障予測
- 品質管理での耐久性評価
5. 応用のポイント
ワイブル分布は、形状パラメータβの値によって分布の形が大きく変わります。
βが1より小さいと早期故障の傾向があり、1だと指数分布(一定の故障率)、1より大きいと摩耗による故障の傾向を示します。
このように、用途に応じてパラメータを適切に設定することで、実用的な予測やモデル化が可能になります。
6. 具体例とその解説
=WEIBULL(5, 2, 1.5, TRUE)
この式は、x=5、尺度パラメータα=2、形状パラメータβ=1.5のワイブル分布における累積確率(5以下となる確率)を求めます。
TRUEを指定しているため、累積分布関数の値が返されます。
FALSEにすれば、同じ条件での確率密度関数の値が返されます。
7. 関連関数の紹介
- WEIBULL.DIST関数 – WEIBULL関数の後継関数で、Excel 2010以降に対応
- EXPONDIST関数 – 指数分布に基づく確率を求める関数
- NORM.DIST関数 – 正規分布に基づく確率を求める関数
- GAMMADIST関数 – ガンマ分布に基づく確率を求める関数
8. まとめ
WEIBULL関数は、寿命や故障率を予測するための強力な統計関数です。
現在はWEIBULL.DIST関数の使用が推奨されており、Excel 2010以降ではそちらに移行することが望ましいです。
ワイブル分布の理解とパラメータ設定によって、より現実的で応用的な分析が可能になります。
9. 対応バージョン
WEIBULL関数はExcel 2007以前のバージョンで利用可能です。
Excel 2010以降では、代わりにWEIBULL.DIST関数の使用が推奨されています。