VSTACK関数 – 複数の配列を縦方向に結合する関数
1. 使い方と活用例
VSTACK関数は、複数の配列やセル範囲を「縦方向（行方向）」に結合し、1つの配列として返す関数です。
表やデータリストをまとめて縦に連結したいときや、異なる場所にあるデータを1つの列に整理する際に活用されます。
2. 基本の書式
=VSTACK(array1, [array2], ...)3. 引数の説明
- array1 – 最初に縦に配置する配列またはセル範囲を指定します。
- [array2], … – （省略可能）追加で縦に結合する配列または範囲を指定します。複数指定可能です。
4. 使用シーン
- 複数の表を1つのリストにまとめたいとき
- 年度ごとのデータを縦方向に積み上げて一括分析したい場合
- 可変データの動的連結や、別の列との統合処理をしたいとき
5. 応用のポイント
VSTACK関数では、結合する各配列の列数が一致していない場合、自動的に空白セルで埋められます。
動的配列に対応しており、データが増減しても結果が自動更新されます。
FILTER関数やSORT関数、UNIQUE関数などと組み合わせることで、より柔軟なデータ処理が可能です。
6. 具体例とその解説
=VSTACK(A1:A3, B1:B2)
この式では、A1:A3の3つのセルと、B1:B2の2つのセルの内容を縦に並べて、5行1列の配列として返します。
セルの内容が動的に変化しても、結果はリアルタイムで更新されます。
7. 関連関数の紹介
- HSTACK関数 – 配列を横方向（列方向）に結合する関数
- TOROW関数 – 配列を1行に変換する関数
- TOCOL関数 – 配列を1列に変換する関数
- CHOOSECOLS関数 – 配列から特定の列を抽出する関数
- FILTER関数 – 条件に合致するデータだけを抽出する関数
8. まとめ
VSTACK関数は、複数の配列を縦に積み重ねて1つのまとまりにするのに非常に便利です。
データ結合や統合処理を簡潔に記述できるため、表の操作や動的リストの作成に広く活用できます。
9. 対応バージョン
VSTACK関数はExcel 365およびExcel 2021以降で利用可能です。
それ以前のバージョンでは使用できないため、代替手段としてINDEX関数やPower Queryの利用が必要です。