VLOOKUP関数 – 縦方向に検索して対応する値を取り出す関数
1. 使い方と活用例
VLOOKUP関数は、指定された値を表の最初の列で検索し、同じ行にある別の列の値を返す関数です。
主に、商品名・社員名・ID番号などをもとに、対応するデータ（価格、部署、成績など）を取得する際に使われます。
2. 基本の書式
=VLOOKUP(lookup_value, table_array, col_index_num, [range_lookup])3. 引数の説明
- lookup_value – 検索の基準となる値を指定します。表の1列目からこの値を探します。
- table_array – 検索対象となる表全体の範囲を指定します。最左列が検索対象列になります。
- col_index_num – 対応する値を取り出す列番号（左から数えた列番号）を指定します。
- [range_lookup] – 検索方法を指定します。TRUE（省略可）は近似一致、FALSEは完全一致を意味します。
4. 使用シーン
- 社員IDから名前や所属部署を検索する
- 商品コードから価格や在庫数を取得する
- 生徒の得点に応じた評価ランクを判定する（近似一致）
5. 応用のポイント
range_lookupをFALSEに設定することで、完全一致のみを対象にした検索が可能になります。
列番号（col_index_num）は数字で指定するため、列構成が変更されると結果が変わってしまう点に注意が必要です。
そのため、より柔軟で正確な検索が必要な場合は、XLOOKUP関数やINDEX・MATCH関数の組み合わせの使用が推奨されます。
6. 具体例とその解説
=VLOOKUP("A102", A2:C10, 3, FALSE)
この式では、セル範囲A2:C10の中から、1列目で”A102″という値を検索し、同じ行の3列目（C列）の値を返します。
FALSEを指定しているため、完全一致の検索となります。
検索値が見つからない場合、#N/Aエラーが返されます。
7. 関連関数の紹介
- HLOOKUP関数 – 横方向の検索を行う関数
- XLOOKUP関数 – 柔軟で強力な新しい検索関数（上下左右どの方向でも検索可能）
- INDEX関数 – 配列や範囲から特定のセルの値を返す関数
- MATCH関数 – 指定した値が範囲内で何番目にあるかを返す関数
8. まとめ
VLOOKUP関数は、縦方向に検索して表から対応する値を取り出す際に非常に便利な関数です。
ただし、列の構造変更に弱いという制限があるため、状況によっては他の検索関数の利用も検討しましょう。
9. 対応バージョン
VLOOKUP関数はExcelのすべてのバージョンで使用可能です。
ただし、Excel 365やExcel 2019以降では、XLOOKUP関数が推奨されるケースが増えています。