VARA関数 – 複数の値の分散(母集団の推定値)を計算する関数
1. 使い方と活用例
VARA関数は、与えられた値の集合に含まれる数値の分散を計算するために使用します。
この関数は、数値だけでなく論理値や文字列も評価対象に含める点が特徴です。
分散とは、データが平均からどの程度ばらついているかを示す統計的指標です。
2. 基本の書式
=VARA(値1, [値2], ...)
3. 引数の説明
- 値1, 値2, … – 分散を求めたい1つ以上の数値、セル参照、配列、または論理値や文字列を指定します。
4. 使用シーン
- 論理値や文字列も含まれるデータセットで、統計的なばらつきを測りたいとき
- アンケート結果など、TRUE/FALSEや「はい」などの文字列が含まれる場合も含めて分散を計算したいとき
- 標本のデータから母集団の分散を推定したい場合
5. 応用のポイント
VARA関数は、論理値やテキストを次のように数値として扱って計算します。
TRUE は 1、FALSE は 0、文字列は 0 として扱われます。
この特性を理解し、データの性質に応じてVAR関数との使い分けを検討することが重要です。
6. 具体例とその解説
=VARA(5, 7, TRUE, "文字列")
この式では、5、7、TRUE(1)、”文字列”(0)を含めた4つのデータの分散を求めます。
それぞれ数値化すると {5, 7, 1, 0} となり、このデータの平均値と分散が計算されます。
VAR関数ではTRUEや文字列が無視されますが、VARAでは計算に含まれる点に注意が必要です。
7. 関連関数の紹介
- VAR関数 – 数値データのみを対象に分散(母集団の推定)を計算する関数
- VAR.S関数 – 標本の分散を計算する関数(VARの後継)
- VAR.P関数 – 母集団全体の分散を計算する関数
- VARPA関数 – VARAと同様に、論理値や文字列を含めて母集団全体の分散を求める関数
8. まとめ
VARA関数は、論理値や文字列を含むデータを含めて、分散の推定値を求めるときに有効です。
データの型や内容を正しく理解した上で使用することで、より実態に即した統計分析が可能になります。
9. 対応バージョン
VARA関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 2010以降では、より明確に用途が分かる VAR.S や VAR.P などの関数が追加されていますが、VARAも引き続き利用できます。