TRUNC関数 – 数値の小数点以下を切り捨てる関数
1. 使い方と活用例
TRUNC関数は、指定した数値の小数点以下を切り捨てて返す関数です。
整数部分のみを取得したい場合や、小数点以下の桁数を制御したいときに便利です。
ROUND関数などと異なり「四捨五入せず」単純に切り捨てる点が特徴です。
2. 基本の書式
=TRUNC(number, [num_digits])
3. 引数の説明
- number – 小数点以下を切り捨てたい元の数値を指定します。
- [num_digits] – (省略可能)小数点以下の残す桁数を指定します。省略時は0(=整数部分のみを返す)になります。
4. 使用シーン
- 小数点以下を含まない顧客IDやコードの生成
- 税抜計算などで端数を切り捨てたい場合
- 四捨五入せずに固定桁数で数値を制御したいとき
5. 応用のポイント
TRUNC関数はマイナスの値に対しても単純に小数部を切り捨てるため、INT関数とは動作が異なります。
INT関数は「常に小さい方の整数に丸める」ため、マイナスの値ではTRUNCと結果が異なります。
num_digits
に負の数を指定することで、10の位、100の位などでの切り捨ても可能です。
6. 具体例とその解説
=TRUNC(12.345)
この式は、小数点以下をすべて切り捨てるため、結果は「12」となります。
=TRUNC(12.345, 2)
この式では、小数点以下第3位を切り捨て、小数第2位までを残します。結果は「12.34」です。
=TRUNC(-12.345)
結果は「-12」となり、小数点以下を単純に切り捨てた値になります。
同じ値をINT
関数で処理すると「-13」になる点に注意が必要です。
7. 関連関数の紹介
- INT関数 – 数値を最も近い整数へ切り下げる関数(負の値の処理が異なる)
- ROUND関数 – 指定した桁数で四捨五入する関数
- ROUNDDOWN関数 – 常に切り捨てる関数(TRUNCに近いが動作に差異あり)
- ROUNDUP関数 – 常に切り上げる関数
8. まとめ
TRUNC関数は、数値を切り捨てて任意の桁数に制御するのに非常に便利な関数です。
INT関数やROUNDDOWN関数と動作が異なるため、使い分けに注意しながら用途に応じて活用することが重要です。
9. 対応バージョン
TRUNC関数はすべてのバージョンのExcelで使用可能です。
Excel 365、2019、2016、2007などすべての環境で互換性があります。