TRANSPOSE関数 – 配列の行と列を入れ替える関数
1. 使い方と活用例
TRANSPOSE関数は、指定した配列の行と列を入れ替えた新しい配列を返す関数です。
行列の回転や、横向きのデータを縦方向に変換したい場合などに便利です。
2. 基本の書式
=TRANSPOSE(配列)
3. 引数の説明
- 配列 – 行と列を入れ替えたいセル範囲または配列を指定します。
4. 使用シーン
- 横方向に入力されたデータを縦方向に変換したいとき
- 複数行のデータを1列で処理したいとき
- 表の行列構造を入れ替えて視認性を向上させたいとき
5. 応用のポイント
Excel 365およびExcel 2021以降では、TRANSPOSE関数は動的配列(スピル)に対応しており、
1つのセルに入力するだけで変換後の配列が自動展開されます。
旧バージョンでは、変換先の範囲を選択した上で「Ctrl + Shift + Enter」で配列数式として入力する必要があります。
6. 具体例とその解説
=TRANSPOSE({1,2,3})
この式は、横向き配列 {1,2,3} を縦方向に変換し、以下のような列にスピル展開します:
1
2
3
=TRANSPOSE(A1:C2)
A1:C2に次のような表がある場合
1 2 3
4 5 6
この式は、以下のように行列を入れ替えます。
1 4
2 5
3 6
7. 関連関数の紹介
- TOROW関数 – 配列を横方向(1行)に変換する関数
- TOCOL関数 – 配列を縦方向(1列)に変換する関数
- INDEX関数 – 配列内の特定位置の値を取得する関数
- CHOOSE関数 – 複数の値から特定の値を選択する関数
8. まとめ
TRANSPOSE関数は、行列の入れ替えを簡単に実現できる便利な関数です。
動的配列と組み合わせることで、入力変更に連動して自動的に変換結果も更新されます。
表形式の整形や可視性の向上にも役立ちます。
9. 対応バージョン
TRANSPOSE関数は、すべてのバージョンのExcel(Excel 2007以降)で使用可能です。
ただし、動的配列(スピル)機能に対応するのは Microsoft 365 および Excel 2021以降です。