TBILLPRICE関数 – 米国財務省短期証券(T-bill)の割引価格を計算する関数
1. 使い方と活用例
TBILLPRICE関数は、米国財務省短期証券(T-bill)の利回りに基づいて価格を計算する関数です。
償還額(通常100ドル)に対し、指定された利回りでの購入価格(割引価格)を求めるのに使用されます。
2. 基本の書式
=TBILLPRICE(清算日, 満期日, 利回り)
3. 引数の説明
- 清算日 – 証券の購入日(settlement)。実際に取引が成立する日付。
- 満期日 – 証券の償還日(maturity)。清算日から1年以内である必要があります。
- 利回り – 年率の割引利回り(例:2% の場合は 0.02)。
4. 使用シーン
- T-bill の利回りから購入価格(割引価格)を求めたいとき
- 短期債券の投資価値をシミュレーションしたいとき
- 価格比較や金融分析における基準価格を計算したいとき
5. 応用のポイント
TBILLPRICE関数は、額面を100ドルと固定し、360日ベースの計算で価格を求めます。
計算式は次の通りです:
価格 = 100 × (1 − 利回り × 残存日数 ÷ 360)
満期日が清算日より1年以上ある場合、#NUM! エラーが返されます。日付は DATE関数
で明示的に指定するのが確実です。
6. 具体例とその解説
=TBILLPRICE(DATE(2025,4,1), DATE(2025,10,1), 0.02)
2025年4月1日に購入し、2025年10月1日満期のT-billに対して、利回り2%(0.02)の場合の割引価格を求めます。
結果は 約98.99(100ドルからの割引価格)となります。
7. 関連関数の紹介
- TBILLYIELD関数 – T-bill の利回り(年率)を計算する関数
- TBILLEQ関数 – 実効利回り(等価利回り)を計算する関数
- DISC関数 – 割引債全般の価格を計算する関数
- PRICE関数 – 利付債の価格を計算する関数
8. まとめ
TBILLPRICE関数は、短期国債(T-bill)の利回りに応じた購入価格(割引価格)を求めるのに最適な関数です。
米国財務省短期証券に特化しており、金融商品分析や投資評価、資金管理に有効です。
9. 対応バージョン
TBILLPRICE関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。