TBILLEQ関数 – 米国財務省短期証券(T-bill)の等価利回りを計算する関数
1. 使い方と活用例
TBILLEQ関数は、割引方式で発行される米国財務省短期証券(T-bill)について、
年利換算した「等価利回り(Bond Equivalent Yield)」を計算する関数です。
主に投資分析や金融商品の比較において、利回りの評価基準を統一するために用いられます。
2. 基本の書式
=TBILLEQ(settlement, maturity, discount)
3. 引数の説明
- settlement – 証券の受渡日(購入日)を指定します。日付形式で入力します。
- maturity – 証券の満期日を指定します。受渡日より後の日付である必要があります。
- discount – 割引率(年率)を10進数で指定します(例:5% → 0.05)。
4. 使用シーン
- T-bill(米国短期国債)の投資利回りを評価する場合
- 異なる利回り形式の金融商品の比較
- 証券アナリストや経理部門による債券評価の補助計算
5. 応用のポイント
TBILLEQ関数では、割引方式の利回りを通常の債券と比較可能な年利ベースに変換してくれます。
この利回りは「Bond Equivalent Yield(BEY)」と呼ばれ、
単純な割引率と異なり、利子を受け取る通常の債券との比較に適しています。
満期日は受渡日から1年以内の日付でなければならず、範囲外の場合はエラーとなります。
6. 具体例とその解説
=TBILLEQ(DATE(2025,4,1), DATE(2025,9,30), 0.045)
この式は、2025年4月1日に購入し、2025年9月30日に満期を迎えるT-billの等価利回りを、
割引率4.5%として計算します。結果は、年利ベースでの実質的な利回り(BEY)として表示されます。
7. 関連関数の紹介
- TBILLPRICE関数 – 割引率と期間からT-billの価格を計算する関数
- TBILLYIELD関数 – T-billの実際の年利(割引ベース利回り)を返す関数
- YIELD関数 – 利付債の利回りを計算する汎用的な関数
- PRICE関数 – 利付債の価格を求める関数
8. まとめ
TBILLEQ関数は、T-billの割引利回りを等価年利に換算するために使用されます。
他の金融商品との比較を行う際や、より現実的な利回りベースの評価が必要な場合に非常に役立ちます。
割引債の特性を考慮した金融分析において、重要なツールの一つです。
9. 対応バージョン
TBILLEQ関数はExcel 2007以降で使用可能です。
関数は財務カテゴリに属し、すべての最新バージョンのExcelでも利用できます。