STDEVP関数 – 母集団全体の標準偏差を求める関数
1. 使い方と活用例
STDEVP関数は、指定した数値の集まりを「母集団全体」とみなして、標準偏差（Standard Deviation）を計算する関数です。
標準偏差とは、データが平均からどの程度ばらついているかを示す統計指標で、品質管理や経済分析などに広く利用されます。
この関数はExcel 2010以降では非推奨とされており、代わりにSTDEV.P関数が推奨されています。
2. 基本の書式
=STDEVP(数値1, [数値2], ...)3. 引数の説明
- 数値1, [数値2], … – 母集団全体のデータとなる数値やセル参照を指定します。最大254個まで指定可能です。
4. 使用シーン
- 品質管理などで製造された全数データのばらつきを確認したいとき
- すべての対象データ（例：全社員の年収、全店舗の売上）が揃っている場合の分析
- 標準偏差を用いてスコアの安定性や分散を評価したいとき
5. 応用のポイント
STDEVP関数は「母集団全体」が手元にある場合に使用すべき関数です。
一方、データが「母集団の一部（サンプル）」である場合は、STDEV関数またはSTDEV.S関数を使う必要があります。
関数名の末尾「P」は「Population（母集団）」を意味します。
6. 具体例とその解説
=STDEVP(100, 120, 130, 150, 200)
この式は、5つの数値（100、120、130、150、200）の母集団標準偏差を計算します。
データ全体を母集団とみなして分散を求め、その平方根を返します。
結果は約35.78となります。
=STDEVP(A2:A11)
この式は、セル範囲A2からA11にある数値を母集団とみなして、標準偏差を計算します。
空白や非数値のセルは無視されます。
7. 関連関数の紹介
- STDEV.P関数 – 母集団全体の標準偏差を計算する新しい関数（STDEVPの後継）
- STDEV.S関数 – サンプル（標本）の標準偏差を求める関数
- VAR.P関数 – 母集団全体の分散を求める関数
- AVERAGE関数 – 指定された数値の平均値を求める関数
- STDEV関数 – サンプルの標準偏差を求める旧関数（非推奨）
8. まとめ
STDEVP関数は、母集団全体のデータがあるときに、そのばらつきを把握するために使用される旧標準偏差関数です。
現在はSTDEV.P関数の使用が推奨されていますが、STDEVP関数も互換性のために引き続き利用可能です。
データの性質（母集団かサンプルか）をよく確認して使い分けることが重要です。
9. 対応バージョン
STDEVP関数は、Excel 2007までの標準関数であり、Excel 2010以降も引き続き使用可能ですが、
非推奨関数となっており、新しい関数であるSTDEV.P関数の使用が推奨されています。
Microsoft 365でも引き続きサポートされていますが、新規使用には注意が必要です。