STDEV関数 – 標本に基づく標準偏差を求める関数
1. 使い方と活用例
STDEV関数は、指定された数値の集合(標本)に基づいて、標準偏差を求める関数です。
データのばらつき(分散の平方根)を評価する際に使用されます。
この関数は Excel 2010 以降では非推奨となっており、代わりに STDEV.S関数
の使用が推奨されています。
2. 基本の書式
=STDEV(数値1, [数値2], ...)
3. 引数の説明
- 数値1, 数値2, … – 標準偏差を求めたい標本データを指定します。セル範囲でも個別指定でも可能です。
4. 使用シーン
- 標本データのばらつきを把握したいとき
- 実験値や調査結果の安定性を数値で表したいとき
- データが正規分布に従っているかどうかを間接的に判断したいとき
5. 応用のポイント
STDEV関数は、次の式に基づいて標準偏差を計算します(自由度n−1):
√[Σ(x − x̄)² / (n − 1)]
Excel 2010以降では、明確に標本と母集団を区別するために STDEV.S
(標本用)と STDEV.P
(母集団用)に分かれました。
新しいブックでは STDEV.S関数 の使用が推奨されます。
6. 具体例とその解説
=STDEV(A1:A10)
A1〜A10のデータを標本と見なし、その標準偏差を返します。
数値の分布が広いほど結果は大きく、狭いほど小さくなります。
=STDEV(85, 90, 88, 92, 110)
点数データのばらつきを評価する例です。110はやや外れ値であり、標準偏差が大きくなります。
7. 関連関数の紹介
- STDEV.S関数 – 標本に基づく標準偏差を求める推奨関数
- STDEV.P関数 – 母集団全体の標準偏差を求める関数
- VAR.S関数 – 標本の分散を求める関数
- AVERAGE関数 – 平均値を求める関数
8. まとめ
STDEV関数は、標本データのばらつきを評価するための基本的な統計関数です。
ただし、現在は STDEV.S関数
に置き換えられており、新しいブックではそちらの使用が推奨されています。
統計処理における精度や明確な区別のためにも、バージョンに応じた適切な関数を使用することが重要です。
9. 対応バージョン
STDEV関数は、Excel 2007以前のバージョンで主に使用されていました。
Excel 2010以降では非推奨とされており、代わりに STDEV.S関数
の使用が推奨されています。