SMALL関数 – 統計

SMALL関数 – 指定した範囲内の「n番目に小さい値」を返す関数


1. 使い方と活用例

SMALL関数は、指定した数値の集合(配列やセル範囲)から、n番目に小さい値を抽出する関数です。
順位付けやスコアの下位抽出、中央値や最小値に近い値を求めたい場面などで使用されます。

2. 基本の書式

=SMALL(配列, 順位)

3. 引数の説明

  • 配列 – 数値を含むセル範囲または配列を指定します。
  • 順位 – 何番目に小さい値を返すかを指定します(例:1なら最小値、2なら2番目に小さい値)。

4. 使用シーン

  • 点数の下位○名を抽出したいとき
  • 製品の最低価格帯のデータ分析
  • 上位・下位を組み合わせたランク分析や評価

5. 応用のポイント

SMALL関数は、配列に重複値がある場合でも、それを考慮して順位を返します。
複数の最小値を取得したい場合には、スピル対応の範囲(Microsoft 365 以降)で複数行に SMALL を配列展開することで、連続的にn番目の値を取得できます。
IF関数やFILTER関数と組み合わせれば、条件付きでの「n番目に小さい値」も取得可能です。

6. 具体例とその解説

=SMALL(A1:A10, 1)

範囲 A1:A10 の中で最も小さい値(最小値)を返します。

=SMALL(A1:A10, 3)

3番目に小さい値を返します。順位は昇順で、重複値も順位に含まれます。

=SMALL(IF(B1:B10="男性", A1:A10), 2)

B列が「男性」となっている行に対応するA列の値の中で、2番目に小さい値を求めます。
配列数式として入力する必要があります(またはMicrosoft 365環境ではそのまま使用可)。

7. 関連関数の紹介

  • LARGE関数 – 配列の中でn番目に大きい値を返す関数
  • MIN関数 – 最小値を返す関数(=SMALL(…,1)と同じ)
  • RANK.EQ関数 – 数値の順位を求める関数(同値は同順位)
  • PERCENTILE関数 – 指定パーセンタイルに該当する値を返す関数

8. まとめ

SMALL関数は、データの中から特定の順位の小さい値を抽出する便利な関数です。
単なる最小値の取得だけでなく、下位の複数値を活用した分析や評価指標の作成にも役立ちます。

9. 対応バージョン

SMALL関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。