SKEW.P関数 – 母集団全体の歪度(スキュー)を求める関数
1. 使い方と活用例
SKEW.P関数は、指定した数値データ全体(母集団)に対する歪度(非対称性)を計算する関数です。
統計において、データの分布が正規分布に対してどれくらい非対称であるかを数値的に表すために使います。
2. 基本の書式
=SKEW.P(数値1, [数値2], ...)
3. 引数の説明
- 数値1, 数値2, … – 歪度を求めたい母集団データを指定します。セル範囲や直接入力も可能です。
4. 使用シーン
- データ分布が正規分布かどうかを判定したいとき
- 右に偏っているか、左に偏っているかを判断したい場合
- 統計的なレポートやデータ分析、品質管理などで分布特性を評価する際
5. 応用のポイント
SKEW.P関数は母集団全体を前提とした歪度を計算します。
標本に基づいた歪度を求めたい場合は SKEW関数
(標本歪度)を使用します。
歪度の目安:
- 0:左右対称(正規分布)
- > 0:右に裾が長い(正の歪度)
- < 0:左に裾が長い(負の歪度)
6. 具体例とその解説
=SKEW.P(A1:A10)
セルA1〜A10に入力されたデータが母集団全体であるとみなして、分布の歪度を返します。
たとえば、出力結果が 0.85 であれば、右に裾が長い分布であることを意味します。
=SKEW.P(10, 12, 15, 18, 25, 100)
この例では、極端な値(外れ値)100が含まれているため、正の歪度(右に偏り)となる結果が出力されます。
7. 関連関数の紹介
- SKEW関数 – 標本に基づく歪度を求める関数
- KURT関数 – 尖度(分布のとがり具合)を求める関数
- AVERAGE関数 – 平均値を求める関数
- STDEV.P関数 – 母集団全体の標準偏差を求める関数
8. まとめ
SKEW.P関数は、データの左右対称性を評価するために使う統計関数です。
母集団全体が対象であり、データがどの方向に偏っているかを数値で表現できるため、データの正規性検定の一助になります。
9. 対応バージョン
SKEW.P関数は、Excel 2013以降のバージョンで使用可能です。
それ以前のバージョンでは利用できません。