SERIESSUM関数 – 級数(数列)の合計を計算する関数
1. 使い方と活用例
SERIESSUM関数は、x のべき乗に係数を掛けた値の合計を計算することで、べき級数(多項式形式の数列)の和を求める関数です。
数学的な関数の近似、工学や数理解析などの分野で用いられます。
2. 基本の書式
=SERIESSUM(x, 開始指数, 増分, 係数配列)
3. 引数の説明
- x – 各項の x の値(基準値)を指定します。
- 開始指数 – 最初の項の x のべき指数(通常は整数)を指定します。
- 増分 – 各項ごとに指数をいくつずつ増やしていくかを指定します。
- 係数配列 – 各項に乗ずる係数(定数)の配列または範囲を指定します。
4. 使用シーン
- 数式(多項式)や関数の級数近似を計算したいとき
- マクローリン展開やテイラー展開の近似式を求めたいとき
- 係数と指数の規則性に基づいた複雑な合計を求めたいとき
5. 応用のポイント
SERIESSUM関数は、次のような形の計算を行います。
a1xⁿ + a2xⁿ⁺ᵐ + a3xⁿ⁺²ᵐ + ...
ここで、n
が開始指数、m
が増分、ai
が各係数です。
数学やエンジニアリングの高度な分析において、連続関数の近似や解析に役立ちます。
6. 具体例とその解説
=SERIESSUM(2, 1, 1, {1, 2, 3})
この式は、次の計算を行います:
1×2¹ + 2×2² + 3×2³ = 2 + 8 + 24 = 34
=SERIESSUM(1, 0, 2, {1, 1, 1})
これは、x = 1 のとき、
1×1⁰ + 1×1² + 1×1⁴ = 1 + 1 + 1 = 3 になります。
指数が 0 → 2 → 4 と、2ずつ増えていくことに注目してください。
7. 関連関数の紹介
- SUMPRODUCT関数 – 配列の要素ごとの積の合計を求める関数
- POWER関数 – 指数計算(べき乗)を行う関数
- EXP関数 – e のべき乗を返す指数関数
- LN関数 – 自然対数を求める関数
8. まとめ
SERIESSUM関数は、数列や級数に関する高度な計算を1行で実現できる強力な関数です。
関数の近似や工学的なモデリング、数理統計の基礎として利用される場面も多く、応用力のある関数といえます。
9. 対応バージョン
SERIESSUM関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。