RSQ関数 – 2変数間の相関の強さを示す決定係数(R²)を求める関数
1. 使い方と活用例
RSQ関数は、2つのデータ系列(XとY)の間の決定係数(R²)を計算する関数です。
これは回帰分析における「予測の精度」や「相関の強さ」を示す統計量で、値は0〜1の範囲を取り、1に近いほど強い関係性を意味します。
販売予測、品質分析、財務モデルなど、統計的な関係性の把握に役立ちます。
2. 基本の書式
=RSQ(既知のY, 既知のX)
3. 引数の説明
- 既知のY – 従属変数(目的変数)に該当するデータ系列。通常、予測したい値。
- 既知のX – 独立変数(説明変数)に該当するデータ系列。通常、予測の根拠となる値。
4. 使用シーン
- 売上と広告費など、数値の関係性の強さを確認したいとき
- 製品品質と温度・湿度など、外部要因との関係性を評価したいとき
- 回帰直線による予測モデルの精度を把握したいとき
5. 応用のポイント
RSQ関数は、単回帰(1対1の関係)における決定係数を返します。
値が「1」に近いほど、Xの値からYを精度高く予測できることを意味します。
なお、すべてのXとYが一定(変化がない)場合は #DIV/0!
エラーになります。
6. 具体例とその解説
=RSQ(B2:B6, A2:A6)
A2:A6に独立変数(例:広告費)、B2:B6に従属変数(例:売上)が入力されていると仮定します。
この式は、両者の相関の強さをR²で返します。たとえば結果が「0.92」であれば、92%の精度で売上が広告費により説明できるという意味です。
7. 関連関数の紹介
- CORREL関数 – 相関係数(-1〜1)を求める関数
- LINEST関数 – 回帰直線の係数などを返す高度な統計関数
- SLOPE関数 – 回帰直線の傾きを返す関数
- INTERCEPT関数 – 回帰直線の切片(Y軸との交点)を返す関数
- FORECAST関数 – 単回帰に基づくYの予測値を求める関数(※FORECAST.LINEAR推奨)
8. まとめ
RSQ関数は、2つの数値データの関係性の強さを示す決定係数(R²)を求めるための統計関数です。
分析や予測モデルの信頼性を簡単に測ることができ、ビジネスや理系分野において非常に有用です。
単回帰での精度確認に適したシンプルかつ重要な関数です。
9. 対応バージョン
RSQ関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365やExcel Onlineでも利用できます。