ROUNDDOWN関数 – 指定した桁数で数値を切り捨てる関数
1. 使い方と活用例
ROUNDDOWN関数は、数値を指定した桁数で切り捨てて丸める関数です。
四捨五入ではなく、常に「小さい方向(絶対値を小さく)」に丸めるため、端数処理や過小評価が必要な場面で便利です。
金額処理、数量計算、統一された桁数でのデータ管理などに活用されます。
2. 基本の書式
=ROUNDDOWN(数値, 桁数)
3. 引数の説明
- 数値 – 切り捨て対象の数値または計算式、セル参照を指定します。
- 桁数 – 切り捨てたい桁の位置を指定します。
- 0 → 小数点以下をすべて切り捨て(整数に丸め)
- 正の数 → 小数点以下のその桁に丸める(例:2 → 小数点以下第2位)
- 負の数 → 小数点の左側の桁で丸める(例:-1 → 十の位で切り捨て)
4. 使用シーン
- 金額を1円未満や10円未満で切り捨てる会計処理
- 四捨五入せずに端数を除外したいデータ整形
- 販売数量やロット数などで過不足を出したくない場合
5. 応用のポイント
ROUNDDOWN関数は、数値の符号に関係なく絶対値を小さくする方向で丸めます。
たとえば -123.456 を第1位で切り捨てると -123.4 になります。
反対に、切り上げたい場合は ROUNDUP関数、四捨五入したい場合は ROUND関数 を使い分けましょう。
6. 具体例とその解説
=ROUNDDOWN(123.456, 2)
この式は、小数点以下第2位まで残して、それ以降を切り捨てます。
結果は「123.45」になります。
=ROUNDDOWN(123.456, 0)
この式は、小数点以下をすべて切り捨て、整数にします。
結果は「123」になります。
=ROUNDDOWN(1234.567, -2)
この式は、百の位で切り捨てを行います。
結果は「1200」になります。
7. 関連関数の紹介
- ROUND関数 – 四捨五入して指定した桁数に丸める関数
- ROUNDUP関数 – 指定した桁数で切り上げる関数
- INT関数 – 小数点以下をすべて切り捨てて整数を返す関数
- TRUNC関数 – 指定した桁で切り捨てる関数(ROUNDDOWNと類似)
- MROUND関数 – 指定した倍数に最も近い数に丸める関数
8. まとめ
ROUNDDOWN関数は、常に「小さい方向」に数値を切り捨てるため、端数処理や保守的な数値管理に適しています。
桁数の指定によって小数、整数、上位桁まで柔軟に対応できる点が特徴です。
他の丸め関数との違いを理解し、目的に応じて使い分けましょう。
9. 対応バージョン
ROUNDDOWN関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365やExcel Onlineでも利用できます。