RATE関数 – 投資やローンにおける1期間あたりの利率を求める関数
1. 使い方と活用例
RATE関数は、ローンや分割払い、投資などにおいて、定期的な支払いまたは受け取りに対する1期間あたりの利率(利回り)を計算する関数です。
年利を求めたい場合は、月次などで計算した利率を12倍することで換算できます。
2. 基本の書式
=RATE(期間数, 各期の支払額, 現在価値, [将来価値], [支払期日], [推定値])
3. 引数の説明
- 期間数(nper) – 支払または受取の総期間数。
- 各期の支払額(pmt) – 各期に支払う定額(または受け取る金額)。
- 現在価値(pv) – 現在の元本(または現在価値)を負の数で指定。
- [将来価値(fv)] – 最後に残る金額(省略時は0)。
- [支払期日(type)] – 支払いのタイミング(0=期末、1=期首)。省略時は0。
- [推定値(guess)] – 初期推定値(省略時は0.1=10%)。
4. 使用シーン
- ローンの年利や月利を逆算したいとき
- 定期支払いでの利回りや利率を把握したいとき
- 将来価値と現在価値がわかっている場合に必要な利率を求めたいとき
5. 応用のポイント
RATE関数は反復計算によって利率を求めるため、収束しない場合はエラー(#NUM!)が返されることがあります。
支払い額(pmt)と現在価値(pv)の符号に注意することが重要で、一般に「支払い」は負、「受け取り」は正で指定します。
年利が必要な場合、月次利率を12倍するなど調整が必要です。
6. 具体例とその解説
=RATE(60, -20000, 1000000)
100万円のローンを月々2万円ずつ60回(5年)返済する場合の月利を求めます。
結果が 約0.0043(0.43%) の場合、年利換算では 約5.2%。
=RATE(10, -50000, 450000, 0, 0)
現在45万円を借りて、10ヶ月間毎月5万円を返済したときの月利を計算します。
結果が約 0.017(1.7%) の場合、年利は約20.4%。
7. 関連関数の紹介
- PV関数 – 将来のキャッシュフローから現在価値を求める関数
- FV関数 – 将来価値を求める関数
- NPER関数 – 総支払期間(回数)を求める関数
- PMT関数 – 定期支払い額を計算する関数
- IRR関数 – 投資案件の内部収益率を求める関数(不定期キャッシュフロー)
8. まとめ
RATE関数は、ローンや投資などの分割支払いにおける利率を逆算する便利な関数です。
支払い回数、金額、現在価値(元本)などから簡単に月利・年利の目安を算出できるため、金融計算において頻繁に活用されます。
9. 対応バージョン
RATE関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。