RANK.AVG関数 – 同順位の値に平均順位を返す関数
1. 使い方と活用例
RANK.AVG関数は、指定した数値がリストの中で何番目に大きいかを「順位」として返す関数です。
同じ数値が複数ある場合には、それらに対して平均順位(平均ランク)を返すのが特徴です。
順位付きのデータ処理や成績評価、スコアの比較などに適しています。
2. 基本の書式
=RANK.AVG(number, ref, [order])
3. 引数の説明
- number – 必須。順位を求めたい数値を指定します。
- ref – 必須。順位付けの対象となるセル範囲または配列を指定します。
- order – 省略可能。並べる順序を指定します(0 または省略時=降順、1=昇順)。
4. 使用シーン
- テストの点数などで、生徒の順位を求めたい場合。
- 売上やスコアなどのデータで、重複値を含めて順位をつけたいとき。
- 成績表やランキング表など、順位に基づく処理が必要なとき。
5. 応用のポイント
RANK.AVG関数では、同じ値がある場合に、順位がその平均で返されます。
例えば、2位と3位に同じ値があれば、両方に「2.5位」が返されます。
通常の順位(重複値にも同順位を与えるが平均しない)を求めたい場合は、RANK.EQ関数を使います。
順位付けの方向を明示的に指定することで、昇順(例:ゴルフのスコア)や降順(例:テストの点数)にも対応可能です。
6. 具体例とその解説
以下のようにA1:A5に点数データがあるとします。
92、85、92、70、85
この中で、A1の92点の順位を求めるには以下のように入力します。
=RANK.AVG(A1, A1:A5)
この式は、A1の値(92)が範囲内で平均して何位にあたるかを計算します。
92点は2つあり、1位と2位に相当するため、両方とも「1.5」が返されます。
7. 関連関数の紹介
- RANK.EQ関数 – 同順位に対して同じ順位を返すが、平均はしない関数。
- PERCENTRANK関数 – 値のパーセンタイル順位(パーセンテージ)を返す関数。
- LARGE関数 – 指定した順位の大きい値を返す関数。
- SMALL関数 – 指定した順位の小さい値を返す関数。
- SORT関数 – 範囲を並べ替える関数(動的配列対応)。
8. まとめ
RANK.AVG関数は、順位を平均値で表すことで、同順位が発生する場面でも滑らかな処理が可能です。
特に統計分析や成績評価の分野で有用で、RANK.EQ関数と用途に応じて使い分けると効果的です。
9. 対応バージョン
RANK.AVG関数は、Excel 2010以降のバージョンで使用可能です。
Excel 2007以前では利用できず、その代わりにRANK関数を使う必要があります。