RAND関数 – 0以上1未満の乱数を返す関数
1. 使い方と活用例
RAND関数は、0以上1未満のランダムな実数(小数)を返すシンプルな関数です。
再計算のたびに新しい値が生成されるため、ランダム性が必要なシミュレーションやテストデータの作成などに役立ちます。
複雑な設定なしにすぐ使えるため、乱数処理の基本として多くの場面で使用されます。
2. 基本の書式
=RAND()
3. 引数の説明
- 引数はありません。
4. 使用シーン
- 確率や統計に基づくシミュレーションを行うとき。
- データのランダム抽出や並び替えを行いたいとき。
- テスト用のサンプルデータを自動生成したいとき。
5. 応用のポイント
RAND関数の返す値は常に「0以上1未満」の小数です。
必要に応じて数値の範囲を調整したい場合は、掛け算や足し算を組み合わせます。
例えば、1〜10の乱数が必要な場合は =RAND()*9+1
のように使用します(整数化するにはINT関数と組み合わせます)。
シートの再計算(F9キー、セル編集、関数再入力など)により毎回異なる値が生成されます。
6. 具体例とその解説
以下のように入力することで、0以上1未満のランダムな数値が得られます。
=RAND()
例えば、結果が 0.573812
のような小数として表示されます。
1〜100の整数のランダムな値を得たい場合は、次のようにします。
=INT(RAND()*100)+1
この場合、1以上100以下の整数値が返されます(RANDの結果に基づくため、偏りには注意が必要です)。
7. 関連関数の紹介
- RANDBETWEEN関数 – 指定した最小値と最大値の間のランダムな整数を返す関数。
- RANDARRAY関数 – 複数の乱数を一括で生成する関数(動的配列対応)。
- INT関数 – 小数点以下を切り捨てて整数に変換する関数。
- ROUND関数 – 小数を任意の桁数で四捨五入する関数。
- SORTBY関数 – RAND関数と組み合わせて、データのランダム並び替えに利用可能。
8. まとめ
RAND関数は、最も基本的な乱数生成関数として広く利用されています。
特定の範囲への変換や整数への調整などの工夫を加えることで、さまざまな用途に対応できます。
再計算によって常に値が変わる点を理解し、必要に応じて「値として貼り付け」で固定することも重要です。
9. 対応バージョン
RAND関数は、Excelのすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 2003以降から最新のMicrosoft 365、Excel Onlineでも問題なく利用できます。