QUARTILE関数 – 四分位数を求める関数
1. 使い方と活用例
QUARTILE関数は、指定したデータセットの中で、指定した四分位数（第1四分位数、第2四分位数＝中央値、第3四分位数など）を返す関数です。
統計的なデータのばらつきを分析したい場合や、データの分布を把握したいときに非常に役立ちます。
2. 基本の書式
=QUARTILE(array, quart)3. 引数の説明
- array – 必須。四分位数を求めたい数値データの配列またはセル範囲を指定します。
- quart – 必須。求めたい四分位数を指定する数値（0〜4）を入力します。
4. 使用シーン
- 売上や成績などのデータセットから、上位25％や中央値などの指標を取り出したいとき。
- 統計分析において、データの散らばり具合や傾向を簡単に把握したいとき。
5. 応用のポイント
QUARTILE関数は、0〜4の値を引数として受け取り、それぞれ最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値を返します。
「quart」引数の値と対応する統計指標は以下の通りです。
0 = 最小値、1 = 第1四分位数（25%点）、2 = 第2四分位数（中央値）、3 = 第3四分位数（75%点）、4 = 最大値。
なお、より精密な統計処理には、後継関数のQUARTILE.INC関数またはQUARTILE.EXC関数の使用も検討してください。
6. 具体例とその解説
以下のようなデータセットがA1:A10にあるとします。
10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55
この中から第1四分位数（25%）を求める場合は、以下のように入力します。
=QUARTILE(A1:A10, 1)
この式は、A1:A10の範囲内のデータに対して第1四分位数（25%の位置にある値）を返します。
結果は22.5になります。
7. 関連関数の紹介
- QUARTILE.INC関数 – 包括的四分位数を求める、QUARTILE関数の後継バージョン。
- QUARTILE.EXC関数 – 排他的四分位数を求める関数。
- PERCENTILE関数 – 指定したパーセンタイルの値を返す関数。
- MEDIAN関数 – 指定範囲の中央値を返す関数。
- MIN関数 – データセット内の最小値を返す関数。
- MAX関数 – データセット内の最大値を返す関数。
8. まとめ
QUARTILE関数は、データを4つの等しい部分に分けた際の代表的な値を求めるのに便利な関数です。
統計的な分析やデータの分布を簡単に視覚化・理解するための基本的なツールとして活用できます。
現在は後継関数が推奨されているため、必要に応じてQUARTILE.INCやQUARTILE.EXCを使い分けることが重要です。
9. 対応バージョン
QUARTILE関数は、Excel 2007以前のバージョンから使用可能ですが、Excel 2010以降では非推奨とされており、代わりにQUARTILE.INC関数の使用が推奨されています。