PPMT関数 – ローンや投資における元金部分の返済額を求める関数
1. 使い方と活用例
PPMT関数は、一定の金利・期間で返済されるローンや投資において、特定期間における元金部分の返済額を求める関数です。
返済額のうち、利息部分と元金部分を分けて計算したい場合に使用されます。
2. 基本の書式
=PPMT(利率, 期, 期間, 現在価値, [将来価値], [支払期日])3. 引数の説明
- 利率 – 各期における利率（年利の場合は月割りや期割りにする必要があります）。
- 期 – 元金部分を求めたい期間（1から始まる整数）。
- 期間 – 支払い回数の合計（返済期間の総期数）。
- 現在価値 – 借入額（現在のローン残高など）。
- [将来価値] – 最終的に残したい残高（通常は0）。省略可。
- [支払期日] – 支払タイミング（0＝期末、1＝期首）。省略時は0。
4. 使用シーン
- ローン返済の元金と利息の内訳を明示的に把握したいとき
- 定期的な返済における元本の減少ペースを分析したいとき
- アモチゼーション（元利均等返済）表を作成したいとき
5. 応用のポイント
PPMT関数は、同様に支払額のうち利息部分だけを求める IPMT関数 と対になる関数です。
PMT関数（毎回の支払額） = PPMT（元金部分） + IPMT（利息部分） になります。
返済の初期は利息が多く、元金は少なめ。後半になるほど元金の割合が増えるのが通常です。
6. 具体例とその解説
=PPMT(5%/12, 1, 60, 1000000)
年利5%、60か月（5年）返済、借入額100万円のローンについて、第1回目の元金返済額を求める例。
結果は 約12,320円（利息部分を差し引いた元金分のみ）。
=PPMT(0.04, 3, 10, 500000, 0, 0)
年利4%、10回払い、50万円のローンの第3期の元金返済額を求めます。
このように任意の期間の元金だけを取得できます。
7. 関連関数の紹介
- PMT関数 – 毎期の返済額（元金＋利息）を求める関数
- IPMT関数 – 毎期の利息部分の金額を求める関数
- PV関数 – 現在価値（元本）を求める関数
- FV関数 – 将来価値（満期時の残高）を求める関数
- CUMPRINC関数 – 一定期間内の元金合計を求める関数
8. まとめ
PPMT関数は、返済額のうち元金部分だけを抽出したい場合に最適な関数です。
ローンの内訳を明確にし、計画的な返済や資金管理を行う上で重要な役割を果たします。
9. 対応バージョン
PPMT関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。