PMT関数 – 財務

PMT関数 – ローンや投資の定期支払額を計算する関数


1. 使い方と活用例

PMT関数は、ローンや分割払い、投資などの一定利率の下での定期的な支払額(または受取額)を求める関数です。
住宅ローン、カーローン、学資ローン、定期積立など、金融計画や資金シミュレーションに広く利用されます。
借入や返済計画を数値的に明確にするための強力なツールです。

2. 基本の書式

=PMT(利率, 期間, 現在価値, [将来価値], [支払期日])

3. 引数の説明

  • 利率 – 各期ごとの利率を指定します。年利率を使用する場合は、期間と合わせて月次・年次などの単位を調整します(例:年5%の月払い → 5%÷12)。
  • 期間 – 支払い(または受け取り)の総回数です。年数×支払回数(例:30年ローンの月払いなら360)。
  • 現在価値 – ローンの元本や現在の投資額など、現在の総価値を表します(通常は負の値)。
  • 将来価値(省略可)– 目標とする将来の残高(通常は0)。
  • 支払期日(省略可)–
    • 0(既定)= 各期の末に支払う
    • 1 = 各期の初めに支払う

4. 使用シーン

  • 住宅や車のローンの毎月返済額を計算する
  • 投資や積立による将来の資産形成額を見積もる
  • キャッシュフロー計算や資金計画のシミュレーション

5. 応用のポイント

PMT関数は、支払額を「マイナス(支出)」として返す仕様です。
受け取り側から見れば正の値、支払う側から見れば負の値になります。
入力する利率と期間の単位は合わせて設定しないと正しい結果が出ないため注意が必要です(年利率なら年回数、月利率なら月回数など)。

6. 具体例とその解説

=PMT(0.05/12, 360, -3000000)

この式は、年利5%、360回(30年)払い、借入金300万円の住宅ローンの月々の返済額を計算します。
結果は約 -16,108円(支払いとしてマイナス)となります。

=PMT(0.03, 20, -1000000, 0, 1)

この式は、年利3%、20年、元本100万円を各年の初めに返済する場合の年額支払額を計算します。
支払期日を「1」にすることで期首払いとなり、期末払いと比べてやや少ない支払額になります。

7. 関連関数の紹介

  • FV関数 – 将来価値(将来の残高)を求める関数
  • PV関数 – 現在価値を求める関数
  • RATE関数 – 必要な利率を計算する関数
  • NPER関数 – 支払期間の回数を求める関数
  • IPMT関数 – 各期の利息部分のみを求める関数
  • PPMT関数 – 各期の元本返済額を求める関数

8. まとめ

PMT関数は、ローンや投資の「定期的な支払い額」を簡単に求められる非常に便利な関数です。
キャッシュフロー管理や財務計画において、現実的な資金の見積もりをする際に活躍します。
単位の整合性や符号(プラス・マイナス)の扱いには十分注意しましょう。

9. 対応バージョン

PMT関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365やExcel Onlineでも利用できます。