PHONETIC関数 – 漢字のふりがな(読み仮名)を抽出する関数
1. 使い方と活用例
PHONETIC関数は、セル内の文字列からふりがな(フリガナ)を抽出するための関数です。
漢字に対して設定されたふりがな情報(ルビ)を取得できるため、氏名データのソートや表示、検索処理などで利用されます。
ただし、ふりがな情報は手動または自動で事前に設定されている必要があります。
2. 基本の書式
=PHONETIC(参照)
3. 引数の説明
- 参照 – ふりがなを抽出したいセルの参照またはセル範囲を指定します。セル範囲を指定した場合、左上のセルのふりがなが使用されます。
4. 使用シーン
- 氏名データにふりがなを表示して、五十音順に並び替える
- フリガナ列を自動生成して、検索や照会をしやすくする
- 印刷物や帳票で氏名の読みを併記したいとき
5. 応用のポイント
PHONETIC関数は、ふりがな情報(ルビ)が設定されている場合にのみ正しく動作します。
設定されていない場合、結果は元の文字列そのもの、または空白になります。
ふりがなを設定するには、[ホーム] → [ふりがなの表示] → [ふりがなの編集] などで入力または修正できます。
6. 具体例とその解説
=PHONETIC(A2)
この式は、セルA2に入力された名前などのふりがなを表示します。
たとえばA2に「山田太郎」と入力されていて、ふりがなが「やまだたろう」に設定されていれば、「やまだたろう」と表示されます。
=PHONETIC(B3:D3)
この式では、B3:D3の範囲のうち左上のセル(B3)のふりがなが取得されます。範囲指定時の動作には注意が必要です。
7. 関連関数の紹介
- TEXT関数 – 数値や日付を文字列に変換する関数
- ASC関数 – 全角文字を半角に変換する関数
- DBCS関数 – 半角文字を全角に変換する関数
- UPPER関数 / LOWER関数 – 英字の大文字・小文字を変換する関数
8. まとめ
PHONETIC関数は、漢字に付与されたふりがな情報を抽出できる便利な関数です。
ふりがな付きの氏名リストやデータベースの整理・検索・印刷補助に適しています。
正しく機能させるためには、事前にルビ情報が適切に設定されている必要があります。
9. 対応バージョン
PHONETIC関数は、Excel 2007以降の日本語版Excelで使用可能です。
Microsoft 365やExcel Onlineでも利用できますが、ルビ編集機能は一部環境で制限される場合があります。