PERMUTATIONA関数 – 重複を許した順列の総数を求める関数
1. 使い方と活用例
PERMUTATIONA関数は、指定した要素数の中から、同じ要素を繰り返し使用できる場合の順列(並び方)の総数を求める関数です。
順番を考慮しつつ、選ばれた要素が重複してもよい場面(例えば「赤・赤・青」など)で使われます。
商品の組み合わせ、コードの生成、パスワードのパターン数などを計算する際に有効です。
2. 基本の書式
=PERMUTATIONA(number, number_chosen)
3. 引数の説明
- number – 必須。使用可能な要素の総数を指定します(例:3種類の色など)。
- number_chosen – 必須。並べる要素の個数を指定します(例:3個並べるなど)。
4. 使用シーン
- 色や記号など、同じものを複数回使える順列のパターン数を計算したいとき。
- 暗証番号や文字列の総組み合わせを確認したいとき。
- 選択肢を繰り返し使って並べるような設計やシミュレーション。
5. 応用のポイント
PERMUTATIONA関数は「重複あり・順番あり」の順列を求めます。
例えば、3つの要素から2つを選んで並べる場合、同じ要素を2回使うことができます(例:A,A や B,C など)。
数学的には次の式と等価です:
PERMUTATIONA(n, r) = n^r
重複を許さない順列を求める場合は、PERMUT関数を使用してください。
6. 具体例とその解説
3種類の記号(A, B, C)から、2文字を選んで並べる全パターンを求めるには次のように入力します。
=PERMUTATIONA(3, 2)
この結果は 9
となります。
可能な並び方は、AA, AB, AC, BA, BB, BC, CA, CB, CC の9通りです。
7. 関連関数の紹介
- PERMUT関数 – 重複を許さない順列(順番あり)の総数を求める関数。
- COMBIN関数 – 重複を許さない組み合わせ(順番なし)の数を求める関数。
- COMBINA関数 – 重複を許す組み合わせ(順番なし)の数を求める関数。
- POWER関数 –
n^r
の計算を直接行う汎用関数。 - FACT関数 – 階乗を求める関数(順列・組み合わせ計算に使用)。
8. まとめ
PERMUTATIONA関数は、同じ要素の繰り返しを許しつつ、並び方の順番も考慮する場合に使用する関数です。
暗証番号やランダムな並びの総数を知りたい場面などで重宝されます。
順列や組み合わせに関する他の関数と併用することで、より柔軟なデータ分析や設計が可能になります。
9. 対応バージョン
PERMUTATIONA関数は、Excel 2013以降のバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel Online でも対応しています。
Excel 2010以前では利用できません。