PERCENTRANK関数 – 値の相対的な順位(パーセンタイル順位)を求める関数
1. 使い方と活用例
PERCENTRANK関数は、指定された値がデータセットの中でどの程度の位置にあるかを「パーセンタイル(百分率)」で返す関数です。
成績評価や分布分析など、データの相対的位置を把握する際に役立ちます。
返される値は0〜1の範囲で、小数として表されます(例:0.85は上位15%を意味します)。
2. 基本の書式
=PERCENTRANK(array, x, [significance])
3. 引数の説明
- array – 必須。評価対象のデータ範囲(配列)を指定します。
- x – 必須。相対順位を求めたい値を指定します。
- significance – 省略可能。結果の桁数(有効桁)を指定します。省略時は3桁(0.000単位)になります。
4. 使用シーン
- テストやスコアの結果をパーセンタイルで表したいとき(例:上位20%など)。
- データの分布状況を相対的に把握したい場合。
- 統計分析や教育評価などで順位指標として利用したいとき。
5. 応用のポイント
PERCENTRANK関数は、x
の値がarray
の中に存在しない場合でも線形補間により適切なパーセンタイル値を返します。
返される結果は0(最小値)から1(最大値)の間の数値です。
結果をパーセント表示にしたい場合は、セルの表示形式を「パーセンテージ」に変更すると便利です。
Excel 2010以降では、より精密な処理が可能なPERCENTRANK.INC関数(包含型)またはPERCENTRANK.EXC関数(排除型)の使用が推奨されています。
6. 具体例とその解説
以下のデータがA1:A10に入力されているとします:
10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100
この中で、「70」のパーセンタイル順位を求めたい場合、次のように入力します。
=PERCENTRANK(A1:A10, 70)
この式の結果は 0.666
となります。つまり、「70」は上位33.3%の位置にあることを意味します。
結果をパーセントで表示したい場合は、セルの表示形式を「パーセント」に設定してください(66.6%と表示されます)。
7. 関連関数の紹介
- PERCENTRANK.INC関数 – 包括的なパーセンタイル順位を求める新しい関数。
- PERCENTRANK.EXC関数 – 排他的なパーセンタイル順位を求める新しい関数。
- RANK.AVG関数 – 同順位に平均順位を割り当てる順位関数。
- RANK.EQ関数 – 同順位に同じ順位を割り当てる関数。
- PERCENTILE関数 – 指定したパーセンタイル位置の値を返す関数。
- QUARTILE関数 – 四分位数(パーセンタイルの特別な場合)を返す関数。
8. まとめ
PERCENTRANK関数は、値の相対的位置を0〜1の範囲で把握することができる非常に便利な関数です。
データ分析や教育評価などで、「その値が全体の中でどのくらいの位置にあるか」を視覚的に把握したいときに最適です。
より柔軟な分析には、PERCENTRANK.INCやPERCENTRANK.EXCとの使い分けが効果的です。
9. 対応バージョン
PERCENTRANK関数は、Excel 2007以前から使用可能ですが、Excel 2010以降では非推奨とされ、代替としてPERCENTRANK.INC関数の使用が推奨されています。