PERCENTRANK.EXC関数 – 排他的パーセンタイル順位(百分率)を求める関数
1. 使い方と活用例
PERCENTRANK.EXC関数は、データの最小値と最大値を含まず、指定した値がデータセット内でどの位置にあるかをパーセンタイル(百分率)で返す関数です。
外れ値の影響を除外した正確な相対評価を行いたい場合に便利です。
値がデータセットの端に近いほど、PERCENTRANK.INC関数と異なる結果を返します。
2. 基本の書式
=PERCENTRANK.EXC(array, x, [significance])
3. 引数の説明
- array – 必須。順位を判定する対象データの配列またはセル範囲。
- x – 必須。相対順位を求めたい数値。
- significance – 省略可能。返される値の有効桁数(小数点以下の桁数)。省略時は3桁(0.000単位)。
4. 使用シーン
- 試験結果や業績評価で、極端なスコアを除いた正確な順位評価を行いたいとき。
- 分布の中間層を重視した統計解析を行いたいとき。
- 商品やサービスの相対的な評価をパーセンタイルで表現したいとき。
5. 応用のポイント
PERCENTRANK.EXC関数は、データ数が「3つ未満」の場合は使用できません。
また、x
の値が array
の最小値または最大値と一致する場合も、#NUM! エラーになります。
包括的な評価が必要な場合は、PERCENTRANK.INC関数を使用してください。
結果をパーセントで表示するには、セルの表示形式を「パーセンテージ」に設定すると見やすくなります。
6. 具体例とその解説
以下のデータが A1:A10 にあるとします:
10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100
この中で「70」のパーセンタイル順位を求めるには、次のように入力します。
=PERCENTRANK.EXC(A1:A10, 70)
この式の結果は 0.777
(=77.7%)となり、「70」は下から77.7%の位置にあることを意味します。
x = 10
や 100
を指定すると、最小値・最大値にあたるため #NUM! エラーが返されます。
7. 関連関数の紹介
- PERCENTRANK.INC関数 – 最小値0、最大値1を含むパーセンタイル順位を返す関数。
- PERCENTRANK関数 – 旧バージョンの関数。Excel 2010以降は非推奨。
- PERCENTILE.EXC関数 – 排他的な百分位値(値そのもの)を求める関数。
- RANK.AVG関数 – 値の順位を求め、同順位には平均順位を付ける関数。
- RANK.EQ関数 – 値の順位を求め、同順位には同じ順位を返す関数。
8. まとめ
PERCENTRANK.EXC関数は、極端な値を除外してデータの中心に注目したパーセンタイル評価を行いたいときに非常に便利な関数です。
教育、品質管理、統計解析などの分野で、公平性や信頼性の高い評価指標として活用できます。
最小・最大値が使えない点に注意し、PERCENTRANK.INC関数との使い分けを理解しておくと便利です。
9. 対応バージョン
PERCENTRANK.EXC関数は、Excel 2010以降で使用可能です。
Excel 2007以前では利用できません。