NORMDIST関数 – 正規分布に基づく確率または確率密度を求める関数
1. 使い方と活用例
NORMDIST関数は、指定された平均と標準偏差に基づく正規分布において、特定の値の累積確率または確率密度(高さ)を求める関数です。
現在は後継関数の NORM.DIST
が推奨されていますが、Excel 2007以前のブックとの互換性のために使用されることがあります。
2. 基本の書式
=NORMDIST(x, mean, standard_dev, cumulative)
3. 引数の説明
- x – 必須。評価する数値。
- mean – 必須。正規分布の平均(μ)。
- standard_dev – 必須。標準偏差(σ)。
- cumulative – 必須。TRUE にすると累積分布関数(CDF)、FALSE にすると確率密度関数(PDF)の値を返します。
4. 使用シーン
- Excel 2007以前のブックでの正規分布に関する計算。
- 統計モデルや品質管理における値の分布の位置づけ確認。
- 新しい関数(NORM.DIST)と互換性を持たせたい場面。
5. 応用のポイント
現在のExcelバージョンでは NORMDIST関数は非推奨 です。代わりに NORM.DIST
関数の使用が推奨されます。
構文自体はNORM.DISTと同じですが、NORMDISTは古い関数としての互換性保持の目的で残されています。
新しい関数では精度の向上や将来の互換性が期待できます。
6. 具体例とその解説
平均70、標準偏差10の正規分布において、80以下となる確率を求めたい場合は次のように入力します。
=NORMDIST(80, 70, 10, TRUE)
この式の結果は 0.8413
となり、x=80 の値は上位約15.9%に位置していることを示します。
確率密度を求めたい場合は cumulative に FALSE を指定します。
=NORMDIST(80, 70, 10, FALSE)
この式は 80 における正規分布の高さ(PDF値)を返します。
7. 関連関数の紹介
- NORM.DIST関数 – NORMDIST関数の後継。Excel 2010以降で推奨。
- NORM.S.DIST関数 – 標準正規分布(平均0、標準偏差1)の関数。
- NORM.INV関数 – 累積確率から値を求める逆関数。
- NORM.S.INV関数 – 標準正規分布の逆関数(Zスコアを返す)。
- STANDARDIZE関数 – Zスコアに変換する関数。
8. まとめ
NORMDIST関数は正規分布に関する計算を行う旧関数です。
Excel 2010以降では使用可能ですが、非推奨とされており、NORM.DIST関数への置き換えが推奨されます。
既存の古いワークシートとの互換性が必要な場合にのみ使用するようにしましょう。
9. 対応バージョン
NORMDIST関数は、Excel 2003〜Excel 2010 以降でも使用可能ですが、Excel 2010以降は非推奨です。
後継の NORM.DIST 関数を使用することが推奨されています。