NA関数 – エラー値「#N/A」を返す関数
1. 使い方と活用例
NA関数は、Excelでエラー値「#N/A(Not Available)」を意図的に返す関数です。
検索関数(例:VLOOKUPやMATCH)などで値が見つからなかった場合と同様の状態を再現するために使います。
グラフや数式中で「データが存在しない」「まだ入力されていない」といった状況を明示したい場合に有効です。
2. 基本の書式
=NA()
3. 引数の説明
- 引数はありません。
4. 使用シーン
- 値が未確定のセルにエラーを返して、注意喚起を行いたい場合。
- グラフ上で未入力のデータポイントを空白にしたい場合(#N/Aはグラフで表示されない)。
- 検索結果が存在しない状況を再現して、IFやIFNA関数と組み合わせたい場合。
5. 応用のポイント
NA関数は、セルにエラーとして #N/A を返す唯一の関数です。
このエラーは、IFNAやISNA関数で捕捉して、別の値やメッセージに置き換えることができます。
グラフで「データなし」としたいポイントに使うと、視覚的にも分かりやすい結果になります。
6. 具体例とその解説
まだ入力されていないデータセルに以下のような式を設定しておくことで、誤動作を防ぐことができます。
=IF(A1="", NA(), A1*B1)
この式では、A1が空白のときは#N/Aを返し、A1に値がある場合のみ掛け算を実行します。
7. 関連関数の紹介
- IFNA関数 – 式が #N/A エラーのときに代替値を返す関数
- ISNA関数 – 値が #N/A かどうかを判定する関数
- IFERROR関数 – あらゆるエラーに対応して代替値を返す関数
- ERROR.TYPE関数 – エラーの種類を数値で識別する関数
- VLOOKUP関数 – データ検索で #N/A を返す可能性のある代表的な関数
8. まとめ
NA関数は、「値が存在しない」「未入力である」ことを明示的に示すためのシンプルで強力な関数です。
#N/A はグラフで表示されないため、未入力データを視覚的に除外するのにも適しています。
他のエラー処理関数と組み合わせることで、より柔軟なエラー制御が可能になります。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel Online でも問題なく利用できます。