MODE関数 – 最も頻繁に出現する値(最頻値)を返す関数
1. 使い方と活用例
MODE関数は、指定した数値データの中で最も頻繁に出現する値(最頻値)を1つだけ返す関数です。
データの傾向を把握するための基本的な統計関数の1つで、特にアンケートや試験結果など、よく出現する値を知りたい場面で活用されます。
2. 基本の書式
=MODE(number1, [number2], ...)
3. 引数の説明
- number1 – 必須。最頻値を求める対象の最初の数値または範囲。
- [number2], … – 省略可能。追加の数値や範囲(最大254個まで指定可能)。
4. 使用シーン
- 試験の点数やアンケート結果などで、最も多く出現した値を知りたい場合。
- 売上や生産データの中で、典型的な数量を知りたい場合。
- データの代表値として、平均値や中央値と並べて最頻値を表示したい場合。
5. 応用のポイント
MODE関数は複数の最頻値が存在する場合でも、最初に見つかった1つのみを返します。
複数の最頻値をすべて取得したい場合は、MODE.MULT関数の使用を検討してください。
文字列データには対応しておらず、数値のみが対象です。非数値や空白は無視されます。
6. 具体例とその解説
セルA1:A10に以下のデータがあるとします:
5, 3, 3, 4, 5, 5, 6, 2, 3, 5
=MODE(A1:A10)
この式は「5」を返します。なぜなら、5は範囲内で最も多く(4回)出現しているためです。
もし3と5がどちらも同じ頻度で出現していた場合でも、最初に見つかった値だけが返されます。
7. 関連関数の紹介
- MODE.MULT関数 – 最頻値が複数ある場合、すべて返す関数
- MODE.SNGL関数 – MODE関数と同様の動作をする新バージョン
- MEDIAN関数 – 中央値を返す関数
- AVERAGE関数 – 平均値を返す関数
- FREQUENCY関数 – 各値の出現回数を配列で返す関数
8. まとめ
MODE関数は、データセット内で最も頻繁に現れる値を手軽に取得できる関数です。
平均や中央値とあわせて活用することで、データの代表的な傾向をより深く理解することができます。
複数の最頻値を扱いたい場合は、MODE.MULT関数との使い分けが重要です。
9. 対応バージョン
Excel 2007以前ではMODE関数として使用され、
Excel 2010以降では非推奨となり、代わりにMODE.SNGL関数が推奨されています。
MODE関数は引き続き利用可能ですが、新しい関数との互換性に注意が必要です。