MINIFS関数 – 条件を満たす値の中から最小値を返す関数
1. 使い方と活用例
MINIFS関数は、指定した複数の条件に一致するデータの中から、最小値を抽出する関数です。
従来は配列数式やIF関数との組み合わせが必要でしたが、MINIFS関数を使えば、シンプルな構文で条件付きの最小値が取得できます。
Excel 2019以降やExcel 365で利用可能です。
2. 基本の書式
=MINIFS(min_range, criteria_range1, criteria1, [criteria_range2, criteria2], ...)
3. 引数の説明
- min_range – 必須。最小値を求めたい範囲。
- criteria_range1 – 必須。最初の条件をチェックする対象範囲。
- criteria1 – 必須。criteria_range1 に対する条件。
- [criteria_range2, criteria2], … – 省略可能。追加の条件範囲と条件(最大126組まで)。
4. 使用シーン
- 営業担当ごとの売上データから、ある担当者の最低売上を求めたい場合。
- 特定の商品カテゴリにおける最安値を抽出したい場合。
- 日付や地域などの複数条件に基づいて、対象データの最小値を求めたい場合。
5. 応用のポイント
MINIFS関数は、条件に一致するデータが存在しない場合、#VALUE! エラーを返します。
条件にワイルドカード(「*」や「?」)を使った部分一致も可能です。
条件付き最小値を複数条件でフィルターする際には、各範囲のサイズがmin_rangeと一致している必要があります。
6. 具体例とその解説
次のようなデータがあるとします。
商品 | カテゴリ | 価格 |
---|---|---|
りんご | 果物 | 150 |
みかん | 果物 | 120 |
にんじん | 野菜 | 100 |
バナナ | 果物 | 130 |
この中で、カテゴリが「果物」の商品のうち、価格の最小値を求めたい場合は次のようにします。
=MINIFS(C2:C5, B2:B5, "果物")
結果は「120」となります(「みかん」の価格)。
7. 関連関数の紹介
- MAXIFS関数 – 条件に一致する値の中で最大値を返す関数
- MIN関数 – 条件なしで最小値を返す関数
- IF関数 – 条件付きで処理を分岐する基本関数
- SUMIFS関数 – 条件に一致する値の合計を返す関数
- AVERAGEIFS関数 – 条件に一致する値の平均を返す関数
8. まとめ
MINIFS関数は、条件付きで最小値を抽出したいときにとても便利な関数です。
従来よりもシンプルな構文で複雑な条件処理ができるため、データ分析や実務の現場で幅広く活用できます。
MIN関数との違いを理解し、集計ロジックをより柔軟に構築しましょう。
9. 対応バージョン
Excel 2019以降、およびExcel 365で使用可能です。
Excel 2016以前のバージョンでは使用できません。