LOGNORMDIST関数 – 対数正規分布の累積分布関数を返す関数
1. 使い方と活用例
LOGNORMDIST関数は、指定された x の値に対する対数正規分布の累積分布関数（CDF）の値を返す関数です。
この関数は主に、対数正規分布に従うと考えられるデータ（例：収入、株価、寿命など）の確率を求めたいときに使用されます。
ただし、この関数はExcel 2010以降で非推奨LOGNORM.DIST関数の使用が推奨されています。
2. 基本の書式
=LOGNORMDIST(x, 平均, 標準偏差)3. 引数の説明
- x – 分布の対象となる値（正の実数）。この値以下になる確率を求めます。
- 平均 – 正規分布の対数変換後の平均（μ）を指定します。
- 標準偏差 – 対数変換後の標準偏差（σ）を指定します。
4. 使用シーン
- 在庫や売上など、正の値でばらつきが大きいデータの確率分布を求める場合
- 統計モデルにおいて、特定の数値が現れる確率を知りたいとき
- 寿命や耐用年数などの信頼性分析
5. 応用のポイント
LOGNORMDIST関数は累積分布関数専用であり、確率密度（PDF）を求めることはできません。
Excel 2010以降では、LOGNORM.DIST関数を使うことで、CDFとPDFの両方を選択可能です。
そのため、新しいバージョンではLOGNORMDIST関数の代わりにLOGNORM.DIST関数を使用することが推奨されます。
6. 具体例とその解説
=LOGNORMDIST(10, 2.5, 0.5)
この式は、対数正規分布において x = 10 のとき、平均2.5、標準偏差0.5の分布での累積確率を求めます。
つまり、「10以下になる確率」が得られます。
7. 関連関数の紹介
- LOGNORM.DIST関数 – 対数正規分布の累積または確率密度を返す関数（推奨）
- LOGNORM.INV関数 – 対数正規分布における逆関数（パーセンタイル）を返す関数
- NORM.DIST関数 – 正規分布の累積または確率密度を返す関数
- EXP関数 – 指数関数（eの累乗）を返す関数
8. まとめ
LOGNORMDIST関数は、対数正規分布における累積確率を求めるシンプルな関数ですが、
現在はLOGNORM.DIST関数に置き換えられており、将来的な使用は推奨されていません。
新しい関数を活用することで、より柔軟かつ正確な統計処理が可能になります。
9. 対応バージョン
LOGNORMDIST関数は、Excel 2007以前のバージョンで使用されていました。
Excel 2010以降では非推奨となり、LOGNORM.DIST関数の使用が推奨されています。
今後の互換性を考慮し、LOGNORM.DIST関数への置き換えを検討するのが望ましいです。