LOGINV関数 – 対数正規分布の逆関数を返す関数
1. 使い方と活用例
LOGINV関数は、対数正規分布における確率に対応するxの値を求めるために使用されます。
具体的には、平均と標準偏差が与えられた対数正規分布において、ある確率に対応する値を逆算することができます。
この関数は、確率的なシミュレーションやリスク分析などの統計的な用途に適しています。
2. 基本の書式
=LOGINV(確率, 平均, 標準偏差)
3. 引数の説明
- 確率 – 0より大きく1未満の値で、x以下になる確率を指定します。
- 平均 – 対応する正規分布の平均(μ)を指定します。
- 標準偏差 – 対応する正規分布の標準偏差(σ)を指定します。
4. 使用シーン
- リスク評価における最悪ケースの予測
- 在庫の需要予測モデルでの利用
- モンテカルロシミュレーションでのランダム変数生成
5. 応用のポイント
LOGINV関数は、対数正規分布に従う現象(例:株価、商品の販売量など)のモデリングに非常に有効です。
この関数とRAND関数を組み合わせて、ランダムな値を生成することも可能です。
また、逆関数であるため、LOGNORM.DIST関数とセットで使用することで理解が深まります。
6. 具体例とその解説
=LOGINV(0.9, 2, 0.3)
この式では、平均2、標準偏差0.3の対数正規分布において、90%の確率で収まる値(x)を計算します。
結果として得られるxは、およそその分布の90パーセンタイルに相当します。
7. 関連関数の紹介
- LOGNORM.DIST関数 – 対数正規分布の累積分布または確率密度を返す関数
- NORM.INV関数 – 正規分布の逆関数を返す関数
- RAND関数 – 0以上1未満の乱数を生成する関数
- NORM.S.INV関数 – 標準正規分布の逆関数を返す関数
8. まとめ
LOGINV関数は、対数正規分布に従うデータにおいて、ある確率に対応する値を求めたい場合に非常に便利です。
リスク分析や予測モデルなどの統計的手法での活用が期待できます。
対数正規分布の性質や、確率と値の関係を深く理解するためにも重要な関数です。
9. 対応バージョン
LOGINV関数はExcel 2007以前のバージョンで使用されていましたが、Excel 2010以降ではこの関数は廃止予定となっており、代わりにLOGNORM.INV関数が推奨されています。
新しいExcelバージョンをご利用の場合は、LOGNORM.INV関数の使用を検討してください。