ISO.CEILING関数 – 数値を指定した倍数の最小の「切り上げ値」に丸める関数
1. 使い方と活用例
ISO.CEILING関数は、指定した数値を、指定した倍数の最小の整数(または倍数)に切り上げて返す関数です。
通常のCEILING関数と異なり、正負に関係なく常に「絶対的に切り上げ」られる点が特徴です。
国際標準(ISO 8601)に準拠した挙動をするため、商業・会計分野などでよく用いられます。
2. 基本の書式
=ISO.CEILING(number, [significance])
3. 引数の説明
- number – 必須。丸め対象の数値。
- significance – 省略可能。切り上げる倍数(省略時は1)。
4. 使用シーン
- 金額を10円、100円単位などの「上の単位」で切り上げたい場合。
- 数量・工程時間などを特定の単位で丸めて管理したい場合。
- 正負の値が混在する中で、常に大きい方向へ丸めたい場合(従来のCEILINGとの違い)。
5. 応用のポイント
ISO.CEILING関数では、number が正でも負でも、significance の絶対値に対して「大きい方向に切り上げ」られます。
従来の CEILING 関数では、number と significance の符号が異なる場合にエラーになることがありましたが、ISO.CEILING ではそれが発生しません。
significance に小数を指定することで、0.1単位や0.25単位などの丸めにも対応可能です。
6. 具体例とその解説
次の式は、23 を 5 の倍数に切り上げます。
=ISO.CEILING(23, 5)
結果は「25」です。23より大きい5の倍数で最小の値です。
負の数でも切り上げになります。
=ISO.CEILING(-23, 5)
結果は「-20」となります(-23より大きい5の倍数)。
significance を省略すると、1が使われます。
=ISO.CEILING(4.3)
結果は「5」です。
7. 関連関数の紹介
- CEILING関数 – 指定の倍数で切り上げる関数(符号に依存)
- FLOOR関数 – 指定の倍数で切り捨てる関数
- ROUNDUP関数 – 桁数を指定して切り上げる関数
- MROUND関数 – 最も近い倍数に四捨五入する関数
- INT関数 – 小数点以下を切り捨てる関数(負数はより小さい値へ)
8. まとめ
ISO.CEILING関数は、指定の倍数に向けて「常に切り上げ」を行う便利な関数です。
正負の符号に影響されないため、CEILING関数よりも直感的に扱える場面が多くあります。
会計処理や製造現場など、単位の丸めが求められる業務で特に有効です。
9. 対応バージョン
Excel 2013以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online でも対応しています。