ISOMITTED関数 – 引数が省略されたかどうかを判定する関数
1. 使い方と活用例
ISOMITTED関数は、LAMBDA関数内で引数が省略されたかどうかを判定するための関数です。
特に、可変引数を用いたカスタム関数の作成時に、ある引数が指定されていない(省略された)場合に分岐処理を行う際に使用されます。
LAMBDA関数以外では使用できない特殊な関数です。
2. 基本の書式
=ISOMITTED(parameter)
3. 引数の説明
- parameter – 必須。LAMBDA関数で定義された引数のうち、省略されたかどうかを調べたい引数名。
4. 使用シーン
- LAMBDA関数で可変引数を定義し、省略された引数にデフォルト値を設定したい場合。
- 複数の入力に応じて処理内容を動的に切り替えたい場合。
- ユーザーが入力しなかった項目に対して、代替処理や警告表示を行いたい場合。
5. 応用のポイント
ISOMITTED関数は、**必ずLAMBDA関数の中**でのみ使用できます。
単独でセルに入力しても機能しません。
省略された引数に対してTRUEを返すため、IF関数などと組み合わせてデフォルト値を設定するのが一般的です。
ISOMITTEDは引数が「完全に指定されなかった」場合にのみTRUEを返し、空文字や0などの明示的な値にはFALSEを返します。
6. 具体例とその解説
次のようなLAMBDA関数を定義したとします。
=LAMBDA(x, y, IF(ISOMITTED(y), x * 2, x + y))
この関数は、引数y
が省略された場合はx * 2
を返し、省略されていなければx + y
を返します。
例えばこの関数に対して1つだけ引数を渡すと、yが省略されたと判定され、xの2倍を返します。
実際のワークシート上では、名前付き関数として定義し、次のように使用します。
=MyFunc(5) → 10(yが省略されたため 5×2)
=MyFunc(5,3) → 8(yが指定されたため 5+3)
7. 関連関数の紹介
- LAMBDA関数 – 名前付きカスタム関数を作成する関数
- IF関数 – 条件によって異なる処理を行う関数
- LET関数 – 数式内で変数を定義して処理を整理する関数
- ISBLANK関数 – セルが空かどうかを判定する関数(ISOMITTEDとは異なる目的)
8. まとめ
ISOMITTED関数は、LAMBDA関数の引数が省略されたかどうかを判定できる特殊関数です。
ユーザー定義関数の柔軟性を高め、デフォルト値の設定や引数の省略に対応した動的なロジックを実現できます。
LAMBDA関数と組み合わせることで、より高度なカスタム関数の作成が可能になります。
9. 対応バージョン
Excel 365 および Excel for the Web でのみ使用可能です。
ISOMITTED関数は、LAMBDA関数内でのみ機能し、それ以外では使用できません。