IMSQRT関数 – 複素数の平方根を求める関数
1. 使い方と活用例
IMSQRT関数は、指定した複素数の平方根(square root)を計算し、その結果を複素数として返す関数です。
複素平面上での平方根演算は、工学、電気回路、物理学、数学理論などで重要な役割を果たします。
2. 基本の書式
=IMSQRT(inumber)
3. 引数の説明
- inumber – 必須。平方根を求める複素数。
文字列形式(例:”4+0i”、”3-4j”、”2″ など)で指定。
4. 使用シーン
- 複素インピーダンスや電流の平方根を求めたい場合。
- 複素数の極形式変換やルート計算を行う場面。
- 理論数学の検証や、複素方程式の解を導出したい場合。
5. 応用のポイント
IMSQRT関数は、実数だけでなく複素数にも対応しており、結果は常に複素数形式で返されます。
実数の平方根(例:IMSQRT(“4″))も、”2+0i” のように複素数として表現されます。
複素数の平方根は通常2つ存在しますが、この関数は主値(主平方根)を返します。
6. 具体例とその解説
複素数 "4+0i"
の平方根を求めるには
=IMSQRT("4+0i")
結果は 2+0i
となります。
負の実数 "-4"
を指定すると
=IMSQRT("-4")
結果は 0+2i
になります。これは √(-4) = 2i の複素数表現です。
複素数 "3-4i"
の平方根
=IMSQRT("3-4i")
結果は 2-1i
になります(主平方根)。
7. 関連関数の紹介
- IMPOWER関数 – 複素数のべき乗を計算する関数(√は 0.5乗として扱える)
- IMABS関数 – 複素数の絶対値(モジュラス)を返す関数
- IMARGUMENT関数 – 複素数の偏角(位相角)を返す関数
- IMCONJUGATE関数 – 複素数の共役を返す関数
- COMPLEX関数 – 実部と虚部から複素数を作成する関数
8. まとめ
IMSQRT関数は、複素数の平方根を簡単に求めるための便利な関数です。
数学的知識が必要な計算も、Excel上で手軽に再現できるため、工学・物理・金融分野などでの計算処理に幅広く利用されています。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。