IMSINH関数 – エンジニアリング

IMSINH関数 – 複素数の双曲線正弦(sinh)を求める関数


1. 使い方と活用例

IMSINH関数は、指定した複素数の双曲線正弦(hyperbolic sine, sinh)を計算し、その結果を複素数で返す関数です。
双曲線関数は、物理学や工学、特に波動方程式や熱伝導方程式などに現れる非周期的な現象の表現に利用されます。

2. 基本の書式

=IMSINH(inumber)

3. 引数の説明

  • inumber – 必須。双曲線正弦を求めたい複素数。
    文字列形式(例:”3+2i”、”1-1j”、”4″ など)で指定。

4. 使用シーン

  • 複素数に対して非周期的な関数値(sinh)を計算したいとき。
  • 双曲線関数を用いる数理モデル(熱、電磁波、金融工学など)の構築時。
  • オイラー形式に基づいた複素指数関数の変形で使用したい場合。

5. 応用のポイント

IMSINH関数は、オイラーの公式に基づいて次の式で計算されます。
sinh(z) = (e^z − e^(−z)) / 2
複素数の指数関数を内部的に用いるため、精度の高い双曲線演算が可能です。
結果は常に複素数形式(”a+bi” または “a+bj”)の文字列で返されます。

6. 具体例とその解説

複素数 "1+i" の双曲線正弦を求める例

=IMSINH("1+i")

結果は 0.634963914784736+1.29845758141598i になります。
これは (e^(1+i) − e^(−(1+i))) ÷ 2 に相当します。

実数の例:

=IMSINH("0")

結果は 0+0i となり、sinh(0) = 0 を表しています。

7. 関連関数の紹介

  • IMCOSH関数 – 複素数の双曲線余弦(cosh)を返す関数
  • IMSECH関数 – 複素数の双曲線正割(sech = 1/cosh)を返す関数
  • IMCSCH関数 – 複素数の双曲線余割(csch = 1/sinh)を返す関数
  • IMSIN関数 – 複素数の正弦(周期的な三角関数)を返す関数
  • IMEXP関数 – 複素数の指数関数(e^z)を返す関数

8. まとめ

IMSINH関数は、複素数に対する双曲線正弦(sinh)を求めるための関数であり、
周期的ではない変化を扱う理論や数式において、重要な役割を担います。
他の双曲線関数や指数関数と併用することで、複雑な数理モデルにも柔軟に対応できます。

9. 対応バージョン

Excel 2013以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。