IMLN関数 – エンジニアリング

IMLN関数 – 複素数の自然対数(ln)を求める関数


1. 使い方と活用例

IMLN関数は、指定した複素数の自然対数(ln)を計算し、その結果を複素数で返す関数です。
自然対数とは底が e(ネイピア数 ≒ 2.718)である対数のことで、複素数に対しては極形式での表現を用いて計算されます。
複素数の極形式変換や、指数関数との逆演算に利用されます。

2. 基本の書式

=IMLN(inumber)

3. 引数の説明

  • inumber – 必須。自然対数を求める複素数。
    文字列形式(例:”1+2i”、”3-4j”、”5″ など)で指定。

4. 使用シーン

  • 複素数 z に対して ln(z) を計算し、複素数の極形式(ln|z| + iθ)を得たい場合。
  • 複素数のべき乗や指数関数を逆演算で解きたい場合。
  • 電気回路や信号解析における振幅と位相の計算を行いたい場合。

5. 応用のポイント

IMLN関数は、複素数 z = x + yi に対して次の式に基づいて計算されます:
ln(z) = ln|z| + i·arg(z)
ここで、|z| は絶対値(IMABS関数で取得可能)、arg(z) は偏角(IMARGUMENT関数で取得可能)です。
結果は常に複素数形式(”a+bi” または “a+bj”)で返されます。

6. 具体例とその解説

複素数 "1+i" の自然対数を求める例

=IMLN("1+i")

結果は 0.346573590279973+0.785398163397448i になります。
これは ln(√2) + i·π/4 に相当します。

実数を指定することも可能です。
たとえば

=IMLN("2")

結果は 0.693147180559945+0i(ln(2))です。

7. 関連関数の紹介

  • IMEXP関数 – 複素数の指数関数(e^z)を返す関数
  • IMLOG10関数 – 複素数の常用対数(log₁₀)を返す関数
  • IMLOG2関数 – 複素数の底2の対数を返す関数
  • IMABS関数 – 複素数の絶対値を返す関数
  • IMARGUMENT関数 – 複素数の偏角(位相角)を返す関数

8. まとめ

IMLN関数は、複素数に対して自然対数を計算する数学的に重要な関数です。
指数関数との対応関係や、極形式での複素数解析において、非常に有用です。
IMEXP関数などとあわせて使用することで、複素数の高度な演算が可能になります。

9. 対応バージョン

Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。