IMAGINARY関数 – 複素数の虚数部を取り出す関数
1. 使い方と活用例
IMAGINARY関数は、指定した複素数の虚数部を実数として取り出す関数です。
複素数とは「実数部 + 虚数部(i)」で構成される数で、IMAGINARY関数を使うとその虚数部分(係数のみ)を抽出できます。
工学・数学・信号処理などで、実部と虚部を分離して扱いたい場面に活用されます。
2. 基本の書式
=IMAGINARY(inumber)
3. 引数の説明
- inumber – 必須。虚数部を取り出したい複素数。文字列形式(例:”3+4i”、”5-2j”、”7″ など)で指定。
4. 使用シーン
- 複素数の虚数成分だけを抽出して別の計算に使いたい場合。
- 電気回路解析でインピーダンスの虚数部(リアクタンス)を取り出す場合。
- 複素ベクトルの成分を実部・虚部に分けて処理したい場合。
5. 応用のポイント
IMAGINARY関数は、文字列形式の複素数を受け取り、虚数部の係数のみを数値で返します。
例えば、”3+4i” であれば「4」、”6-2j” であれば「-2」を返します。
実数のみを指定した場合は、虚数部は存在しないため「0」が返されます。
6. 具体例とその解説
複素数 “2+5i” の虚数部を取り出す場合
=IMAGINARY("2+5i")
結果は 5
になります。
虚数のみの指定(例:”0-3j”)の場合
=IMAGINARY("0-3j")
結果は -3
になります。
実数だけの複素数(例:”7″)では
=IMAGINARY("7")
結果は 0
になります。
7. 関連関数の紹介
- IMREAL関数 – 複素数の実数部を返す関数
- IMABS関数 – 複素数の絶対値(モジュラス)を返す関数
- IMARGUMENT関数 – 複素数の偏角(位相)を返す関数
- IMCONJUGATE関数 – 複素数の共役(虚数部の符号を反転)を返す関数
- COMPLEX関数 – 実数と虚数を使って複素数を生成する関数
8. まとめ
IMAGINARY関数は、複素数の中から虚数成分の係数部分だけを数値として抽出できる便利な関数です。
実数との分離や、複素演算後の虚数成分の評価など、理論・応用の両面で広く使われます。
実部を取り出すIMREAL関数とセットで使うことが多いです。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。