IFERROR関数 – エラー時に代替値を返す関数
1. 使い方と活用例
IFERROR関数は、数式がエラーになる場合に、あらかじめ指定した代替値を返す関数です。
VLOOKUPや除算、参照などで発生する #N/A
や #DIV/0!
などのエラーを見やすく処理するのに役立ちます。
エラーが発生しなければそのままの結果を返し、エラーが出たときだけ指定した値やメッセージに置き換えて表示できます。
2. 基本の書式
=IFERROR(value, value_if_error)
3. 引数の説明
- value – 通常の計算式や参照。エラーが発生する可能性がある部分を指定します。
- value_if_error – エラーが発生した場合に表示したい値、または計算式。
4. 使用シーン
- VLOOKUPやXLOOKUPが #N/A を返したときに「データなし」と表示したいとき
- 数値の除算で 0割りエラーが出るのを防ぎたいとき
- 関数の結果が不安定な場合でも、エラーを非表示にして見栄えを保ちたいとき
5. 応用のポイント
IFERROR関数は、複雑なネスト(入れ子)を使わずに、シンプルにエラー処理ができる便利な関数です。
特にVLOOKUP、MATCH、XLOOKUP、除算(/)、VALUE関数などと組み合わせて使うと効果的です。
ただし、正しくエラーを検出したい場合は、value部分がきちんと失敗する可能性がある式である必要があります。
6. 具体例とその解説
=IFERROR(A1/B1, "計算できません")
この式では、B1が0または空白などで除算エラーになる場合、「計算できません」と表示します。
B1が0でなければ、A1÷B1の結果がそのまま表示されます。
=IFERROR(VLOOKUP("商品A", A2:C10, 2, FALSE), "見つかりません")
この式では、「商品A」が範囲に見つからない場合、#N/A
の代わりに「見つかりません」と表示されます。
7. 関連関数の紹介
- IF関数 – 条件によって異なる処理を行う基本の論理関数
- IFNA関数 –
#N/A
エラーのみを対象とするエラー処理関数(Excel 2013以降) - ERROR.TYPE関数 – 発生したエラーの種類を識別して数値で返す関数
- ISERROR関数 – 値がエラーであるかどうかを判定する関数
8. まとめ
IFERROR関数は、数式内で発生するさまざまなエラーをスマートに処理できる便利な関数です。
見た目を整えるだけでなく、ユーザーに分かりやすいフィードバックを提供するためにも活用できます。
VLOOKUPや除算などと組み合わせて使用することで、業務での実用性が大幅に向上します。
9. 対応バージョン
IFERROR関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
それ以前のバージョンでは使用できないため、代替として IF(ISERROR(...), ..., ...)
の形式で処理する必要があります。