GCD関数 – 最大公約数(Greatest Common Divisor)を求める関数
1. 使い方と活用例
GCD関数は、指定した2つ以上の整数の最大公約数を求める関数です。
最大公約数とは、すべての指定された数を割り切ることができる最大の整数のことです。
分数の約分、比率の簡略化、整数の最小単位の計算などで活用されます。
2. 基本の書式
=GCD(number1, [number2], ...)
3. 引数の説明
- number1, number2, … – 最大公約数を求めたい2つ以上の正の整数を指定します。最大255個まで指定可能です。
4. 使用シーン
- 分数の最小形への約分処理を行いたいとき
- 複数の数量を共通の単位に変換したいとき(例:比率の統一)
- 繰り返し処理や機械動作などの周期の調整において、共通の時間単位を求めるとき
5. 応用のポイント
GCD関数は、引数に0を含めると、他の値が返される仕様になっています(例:=GCD(0, 8)
は「8」)。
また、負の数を指定しても正の数として処理されます。小数を指定した場合は自動的に整数に切り捨てられるため注意が必要です。
複数の数値に共通する「最も大きな割り切れる数」を求めるため、逆に最小公倍数を求めたい場合はLCM関数を使用します。
6. 具体例とその解説
=GCD(24, 36)
この式では、24と36の最大公約数である「12」が返されます。両方とも12で割り切れます。
=GCD(60, 48, 36)
この式では、3つの数の最大公約数を求めています。共通して割り切れる最大の数は「12」なので、「12」が返されます。
=GCD(5.9, 2.2)
小数が入力された場合、整数に切り捨てられて GCD(5, 2)
として計算されます。結果は「1」です。
7. 関連関数の紹介
- LCM関数 – 最小公倍数(Least Common Multiple)を求める関数
- ROUND関数 – 四捨五入して整数化する関数
- INT関数 – 小数点以下を切り捨てて整数にする関数
- MOD関数 – 割り算の余りを求める関数(割り切れるかの判定に便利)
8. まとめ
GCD関数は、複数の数値に共通する最大の割り切れる整数(最大公約数)を簡単に求めることができる便利な関数です。
分数の簡略化、比率の調整、共通単位の計算など、数学的な処理を効率化できます。
LCM関数とセットで理解しておくと、数値の基本的な性質を活かしたExcel活用が広がります。
9. 対応バージョン
GCD関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365 や Excel for Web にも対応しています。