GAMMA.INV関数 – 統計

GAMMA.INV関数 – ガンマ分布の逆関数(累積確率に対応するxの値を求める)


1. 使い方と活用例

GAMMA.INV関数は、指定した累積確率に対応するガンマ分布上のxの値を返す関数です。
統計解析において、累積分布に基づく閾値や信頼区間の境界を求める際に使用されます。
Excel 2010以降で使用可能な関数で、GAMMAINV関数の新しいバージョンとして位置付けられています。

2. 基本の書式

=GAMMA.INV(probability, alpha, beta)

3. 引数の説明

  • probability – ガンマ分布における累積確率(0~1の範囲)を指定します。
  • alpha – ガンマ分布の形状パラメーター(shape)。正の数で指定します。
  • beta – ガンマ分布の尺度パラメーター(scale)。正の数で指定します。

4. 使用シーン

  • 信頼区間の下限・上限となるxの値を確率から逆算したいとき
  • 品質管理やリスク評価などで、ある確率を超える事象の発生基準を知りたいとき
  • 待ち時間や寿命など、ガンマ分布に従う現象のパラメーター計算

5. 応用のポイント

GAMMA.INV関数は、GAMMA.DIST関数と組み合わせて使用することで、
累積確率とそれに対応するxの値との間で往復計算が可能になります。
特にalphaやbetaの設定によって、分布の形状が大きく変化するため、データに応じた慎重な設定が必要です。
また、GAMMAINV関数の後継関数として、Excel 2010以降ではGAMMA.INV関数の使用が推奨されています。

6. 具体例とその解説

=GAMMA.INV(0.5, 3, 2)

この式では、形状パラメーター alpha=3、尺度パラメーター beta=2 のガンマ分布において、
累積確率0.5(中央値)に対応するxの値を求めます。計算結果はおよそ 4.36 になります。

=GAMMA.DIST(GAMMA.INV(0.95, 5, 1), 5, 1, TRUE)

この式は、0.95の確率に対応するxの値をGAMMA.INVで求め、GAMMA.DISTで確認する往復計算です。
結果は0.95に非常に近い数値となり、相互の整合性を確認できます。

7. 関連関数の紹介

  • GAMMA.DIST関数 – ガンマ分布の確率密度関数または累積分布関数を返す関数
  • GAMMA関数 – ガンマ関数(階乗の拡張版)を計算する関数
  • CHISQ.INV関数 – カイ二乗分布の逆関数。ガンマ分布の特殊ケース
  • GAMMAINV関数 – GAMMA.INVの旧バージョン。Excel 2010以降では非推奨

8. まとめ

GAMMA.INV関数は、累積確率に対応するガンマ分布上のxの値を計算する強力な統計関数です。
確率から基準値や閾値を逆算したい場面で特に役立ちます。
Excel 2010以降では、GAMMAINV関数ではなく、このGAMMA.INV関数の使用が推奨されています。

9. 対応バージョン

GAMMA.INV関数は、Excel 2010以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは使用できないため、代替としてGAMMAINV関数の使用を検討する必要があります。