GAMMADIST関数 – ガンマ分布の確率密度関数または累積分布関数を返す関数
1. 使い方と活用例
GAMMADIST関数は、指定された引数に基づいてガンマ分布の確率密度関数(PDF)または累積分布関数(CDF)の値を返す関数です。
待ち時間や寿命、到達時間などの連続的なランダム変数の分布を表現する場合に使用されますが、Excel 2010 以降ではGAMMA.DIST関数への置き換えが推奨されています。
2. 基本の書式
=GAMMADIST(x, alpha, beta, cumulative)
3. 引数の説明
- x – 必須。確率分布を評価する値(x ≥ 0)。
- alpha – 必須。形状パラメータ(> 0)。
- beta – 必須。尺度パラメータ(> 0)。
- cumulative – 必須。TRUE の場合は累積分布関数(CDF)、FALSE の場合は確率密度関数(PDF)を返す。
4. 使用シーン
- Excel 2007 以前のバージョンで、ガンマ分布の統計値を計算したいとき。
- 機械の寿命やサービス完了までの待ち時間などをモデル化したい場合。
- 既存のワークシートで GAMMADIST を使用しており、互換性を維持したい場合。
5. 応用のポイント
この関数は Excel 2010 以降でも使用可能ですが、後方互換性のための関数であり、GAMMA.DIST関数の使用が推奨されています。
x、alpha、beta のいずれかが無効な場合、またはパラメータが正でない場合には #NUM!
エラーになります。
累積分布(CDF)と確率密度関数(PDF)を区別して使い分けることが重要です。
6. 具体例とその解説
α=2、β=3、x=5 における確率密度関数を求める場合
=GAMMADIST(5, 2, 3, FALSE)
結果:0.1026
(小数点以下省略)
これは確率密度関数(PDF)の値です。
同条件で累積分布関数(CDF)を求める場合
=GAMMADIST(5, 2, 3, TRUE)
結果:0.2636
これは x 以下の累積確率です。
7. 関連関数の紹介
- GAMMA.DIST関数 – GAMMADIST関数の後継。現在推奨される関数。
- GAMMA.INV関数 – ガンマ分布の逆累積関数を返す関数
- GAMMA関数 – ガンマ関数(Γ関数)を返す数学関数
- EXPON.DIST関数 – 指数分布(ガンマ分布の特殊形)を返す関数
- CHISQ.DIST関数 – カイ二乗分布(ガンマ分布の特例)を返す関数
8. まとめ
GAMMADIST関数は、ガンマ分布に基づく統計計算を行う旧関数であり、Excel 2010 以降では GAMMA.DIST関数の使用が推奨されます。
旧システムとの互換性が必要な場合以外は、できるだけ新しい関数へ移行することをおすすめします。
9. 対応バージョン
Excel 2003 ~ Excel 2007 で正式対応。
Excel 2010 以降では使用可能ですが非推奨。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online では GAMMA.DIST関数を使用してください。