GAMMA.DIST関数 – 統計

GAMMA.DIST関数 – ガンマ分布の確率密度関数または累積分布関数を返す関数


1. 使い方と活用例

GAMMA.DIST関数は、指定したパラメータに基づいてガンマ分布の確率密度関数(PDF)または累積分布関数(CDF)の値を返す関数です。
ガンマ分布は、待ち時間や寿命などの分布をモデル化する際に使用される連続確率分布です。

2. 基本の書式

=GAMMA.DIST(x, alpha, beta, cumulative)

3. 引数の説明

  • x – 必須。分布の評価対象となる値(x ≥ 0)。
  • alpha – 必須。形状パラメータ。正の数。
  • beta – 必須。尺度パラメータ。正の数。
  • cumulative – 必須。TRUE の場合は累積分布関数(CDF)、FALSE の場合は確率密度関数(PDF)を返す。

4. 使用シーン

  • 寿命や故障時間など、時間の経過とともに発生する事象の分布を表現したいとき。
  • ポアソン過程の待ち時間分布として、k回目の事象が発生するまでの時間をモデル化する場合。
  • ベータ分布やカイ二乗分布など、他の分布の一般化として活用する場合。

5. 応用のポイント

GAMMA.DIST関数では、alpha が整数値のとき、ポアソン分布の待ち時間モデルに一致します。
cumulative = TRUE を指定すれば、ある値 x 以下の確率(累積確率)を求めることができ、FALSE にすれば確率密度関数の値を返します。
ガンマ分布は自由度を変えることで、指数分布やカイ二乗分布とも関連します。

6. 具体例とその解説

形状パラメータ α = 2、尺度パラメータ β = 3、x = 5 における確率密度関数(PDF)を求める:

=GAMMA.DIST(5, 2, 3, FALSE)

結果は 0.1026(小数点以下は省略)になります。

同じ条件で累積分布関数(CDF)を求める

=GAMMA.DIST(5, 2, 3, TRUE)

結果は 0.2636 となり、x=5 以下の確率が約26%であることを示します。

7. 関連関数の紹介

  • GAMMA関数 – ガンマ関数(階乗の一般化)を返す関数
  • GAMMALN関数 – ガンマ関数の自然対数を返す関数
  • GAMMA.INV関数 – ガンマ分布の累積分布関数の逆関数を返す関数
  • CHISQ.DIST関数 – カイ二乗分布(ガンマ分布の特殊形)を返す関数
  • EXPON.DIST関数 – 指数分布の確率を返す関数(ガンマ分布の特殊形)

8. まとめ

GAMMA.DIST関数は、信頼性工学や寿命モデルなどに適した連続確率分布(ガンマ分布)をExcel上で扱うための関数です。
パラメータを調整することで、さまざまな統計モデリングに対応できます。

9. 対応バージョン

Excel 2010以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。
※Excel 2007以前では GAMMADIST関数 が使用されていました(非推奨)。