FV関数 – 財務

FV関数 – 投資やローンにおける将来価値(Future Value)を計算する関数


1. 使い方と活用例

FV関数は、定期的な支払いや利率に基づいて将来の資産価値(将来価値)を計算する関数です。
預金やローン返済、積立投資などの将来見通しを計算する際に活用されます。

2. 基本の書式

=FV(rate, nper, pmt, [pv], [type])

3. 引数の説明

  • rate – 必須。各期間における利率(年利を月利に換算する場合は ÷12)。
  • nper – 必須。支払い期間の総数(年数×支払頻度など)。
  • pmt – 必須。各期間の支払額(出費は負の値、収入は正の値で入力)。
  • pv – 省略可能。現在価値(初期投資や元金)。省略時は0。
  • type – 省略可能。支払い時期(0=期末、1=期首)。既定値は0。

4. 使用シーン

  • 毎月一定額を積み立てたときの将来の合計金額を計算したい場合。
  • ローン返済額に基づいて最終的な残債や価値を把握したいとき。
  • 利率と期間から、将来の資産形成シミュレーションを行いたい場合。

5. 応用のポイント

利率や期間の単位が一致している必要があります(年率なら期間も年単位、月利なら月単位)。
支払額(pmt)や現在価値(pv)は支出は負の数、受け取りは正の数として入力することが一般的です。
「type」を1にすると期首払いとなり、積立のタイミングによって結果が変わるため注意が必要です。

6. 具体例とその解説

年利3%、毎月1万円ずつ、10年間積み立てた場合の将来価値を求める

=FV(3%/12, 12*10, -10000)

結果は 約1,403,566 となり、総額は約140万円になります。
ここで、rate = 3% ÷ 12nper = 120(10年×12ヶ月)、pmt = -10000(支出)です。

現在の元金が50万円あり、同様に毎月1万円を10年間積立てる場合

=FV(3%/12, 120, -10000, -500000)

結果は 約1,903,566 になります(50万円+積立+利息の合計)。

7. 関連関数の紹介

  • PV関数 – 将来の金額から現在価値を計算する関数
  • PMT関数 – 一定期間ごとの定額支払額を求める関数
  • NPER関数 – 支払回数(期間)を求める関数
  • RATE関数 – 支払回数と支払額から利率を求める関数
  • NPV関数 – 一連のキャッシュフローの現在価値を求める関数

8. まとめ

FV関数は、資産運用やローンなどの将来価値を計算する上で非常に便利な財務関数です。
入力値の単位と符号(正負)に注意しながら、正確なシミュレーションを行うことができます。

9. 対応バージョン

Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。