FORECAST.ETS.SEASONALITY関数 – 自動検出された季節性(周期)の長さを返す関数
1. 使い方と活用例
FORECAST.ETS.SEASONALITY関数は、時系列データに対してETS(指数平滑法)モデルが自動的に検出した季節性の周期を返す関数です。
データに周期性(例:週次、月次、年次など)があるかどうかを把握し、予測モデルの妥当性や特徴を分析する際に役立ちます。
2. 基本の書式
=FORECAST.ETS.SEASONALITY(values, timeline, [data_completion], [aggregation])
3. 引数の説明
- values – 必須。予測の元となる既知の値(実績データ)。
- timeline – 必須。values に対応する時系列(日付または数値)。
- [data_completion] – 省略可能。TRUE(既定)なら空白を線形補完、FALSEなら欠損として扱う。
- [aggregation] – 省略可能。同一時点に複数の値がある場合の集約方法(例:AVERAGE、SUMなど)。
4. 使用シーン
- 時系列データの周期性(季節性)が存在するかどうかを確認したいとき。
- 売上やアクセス数などのデータが一定のサイクルを持っているかを可視化したい場合。
- FORECAST.ETS関数を使う前に、予測モデルに季節性を含めるべきか判断したいとき。
5. 応用のポイント
この関数は、ETSモデルがデータに基づいて自動検出した季節パターンの長さ(例:7、12、365など)を返します。
周期が検出されない場合、またはデータが不十分な場合は 1
を返します(非季節性モデル)。
結果は整数値であり、たとえば「12」は12期間ごとの季節性(例:月次データの1年周期)を示します。
6. 具体例とその解説
A2:A25 に日付、B2:B25 に月ごとの売上データがあるとします。
このとき、自動検出された季節性を確認するには次のようにします。
=FORECAST.ETS.SEASONALITY(B2:B25, A2:A25)
結果が 12
の場合、データには 12ヶ月(1年)周期の季節性があると判断されます。
結果が 1
の場合、季節性は検出されていない(または必要ない)という意味になります。
7. 関連関数の紹介
- FORECAST.ETS関数 – ETSモデルを使って予測値を返す関数
- FORECAST.ETS.CONFINT関数 – 予測値に対する信頼区間を返す関数
- FORECAST.ETS.STAT関数 – 予測モデルの統計情報を返す関数
- FORECAST.LINEAR関数 – 線形回帰による予測を行う関数
- SEQUENCE関数 – 季節性のパターンを検証するための期間リスト作成に便利な関数
8. まとめ
FORECAST.ETS.SEASONALITY関数は、時系列データに隠れた周期性(季節性)を明示的に数値で把握できる強力な分析ツールです。
予測モデル構築の前段階で活用することで、より精度の高い予測が可能になります。
9. 対応バージョン
Excel 2016以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。
Excel 2013以前では使用できません。