FORECAST.ETS.CONFINT関数 – ETS予測値に対する信頼区間(誤差範囲)を返す関数
1. 使い方と活用例
FORECAST.ETS.CONFINT関数は、ETS(指数平滑法)によって予測された値に対して、予測の誤差範囲(信頼区間)を返す関数です。
予測の不確かさを数値で把握し、より現実的な予測分析や意思決定に活用できます。
2. 基本の書式
=FORECAST.ETS.CONFINT(target_date, values, timeline, confidence_level, [data_completion], [aggregation])
3. 引数の説明
- target_date – 必須。予測したい日付または時点。
- values – 必須。既知の実績データ。
- timeline – 必須。各データに対応する日付または時系列。
- confidence_level – 必須。信頼水準(0〜1 の間の数値)。一般的には 0.95(95%信頼区間)を指定。
- [data_completion] – 省略可能。TRUE(既定)で欠損データを補完、FALSE で無視。
- [aggregation] – 省略可能。同一時点に複数のデータがある場合の集約方法(例:AVERAGE、SUM)。
4. 使用シーン
- 売上予測や在庫予測などにおいて、将来の値の誤差範囲を把握したいとき。
- 予測の信頼性を定量的に示し、リスク評価や意思決定に活用したい場合。
- 上限・下限付きの予測グラフ(バンド付き予測チャート)を作成したい場合。
5. 応用のポイント
この関数は、予測値に対して±信頼区間幅を返します(予測値自体ではありません)。
得られた値は、予測値に加算・減算することで上下限を求めることができます。
たとえば、予測値 ± CONFINT で予測のブレ幅を表現できます。
6. 具体例とその解説
A2:A25 に月ごとの日付、B2:B25 に売上データがあるとします。
次月(A26 に指定されている)における 95% 信頼区間を求めるには
=FORECAST.ETS.CONFINT(A26, B2:B25, A2:A25, 0.95)
結果は、例えば 150
のような数値になり、これは予測値の ±150 の範囲内に95%の確率で実際の値が収まることを意味します。
7. 関連関数の紹介
- FORECAST.ETS関数 – ETS法による予測値を返す関数
- FORECAST.ETS.PI関数 – 予測区間の上限・下限を直接返す関数
- FORECAST.ETS.SEASONALITY関数 – データの季節性(周期)を検出する関数
- FORECAST.ETS.STAT関数 – モデル精度の評価指標(RMSEなど)を返す関数
- CONFIDENCE.NORM関数 – 正規分布に基づく信頼区間を返す関数
8. まとめ
FORECAST.ETS.CONFINT関数は、ETS予測モデルの誤差や予測のブレを定量的に評価できる強力な関数です。
予測モデルをより現実的に活用するために、信頼区間の情報は重要な判断材料となります。
9. 対応バージョン
Excel 2016以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。
Excel 2013以前では使用できません。